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完璧なS/N、極めて広いDレンジ。ブルメスターのプリアンプ「077+PSU」を聴く

2018/06/07 藤岡 誠
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XLR端子がずらりと並んだ「077」の背面パネルは壮観で、極めて格調が高い。その中に2系統のヘッドフォン端子が配置されているのは愛嬌といっていいだろう。
勿論、リモコンが付属。このリモコンは一連の自社製コンポーネンツの操作が可能だが、一般的なリモコンと比べ大きくて重く、どちらかというとデスクトップ用と捉えていいだろう。

ボディ全体は、“強烈”と呼ぶに相応しい強固な造り。プリアンプとしては世界最強といっても過言ではない。まさに“質実剛健”なボディを持っている。この質実剛健さは電源部の「PSU」も共通で、外形寸法も同一。その上で双方にアルミニウムの無垢材から削り出した専用の“ベースボード”が付属。「077」と「PSU」の脚部とベース間には炭素繊維の丸板が挟みこまれ外的振動を徹底して抑えている。重量は「077」、「PSU」共にベースボード込みで各25kgである。

「077」の筐体内部

回路は、デュアルモノーラル構成で入力から出力までの信号経路にカップリングコンデンサーを使用しない完全DC構成。注目は“X-Amp2” と称する強固に密閉された純A級動作のモジュールだが増幅素子等の詳細は秘密とのことである。音量調整は電子ヴォリュームとロータリーエンコーダーの組合せ。

詳細は省くが音量変化のカーブは、組合せたパワーアンプやスピーカーシステム、さらにはユーザーの好みに合わせて設定が可能だ。そのカーブの中にはブルメスター独自カーブも含まれる。なお、トーンコントロールは付属せず、バランスコントロールはリモコン側で操作する。

「SPU」の内容は、左右独立トロイドコア電源トランスとトータル160.000μFのブロックコンデンサーなどが収容されている。「SPU」のACケーブルと、「077」へのDC電源供給用ケーブルはそれぞれ長さが2mあるからシステムアップ上で問題はない。

聴こえ ー 完璧なS/N、極めて広いダイナミックレンジ

今回の「077+PSU」は音を出した瞬間から完璧なSN比に驚いた。静けさの中なら高純度な楽音が聴こえてくる。結果として微弱音が実に美しく、極めて広いダイナミックレンジを聴かせ、まったくのウェルバランス。価格面で若干の躊躇はあるものの、プリアンプに最高のクオリティを求める人にはお薦めである。価格面でどうしても躊躇するという方は、電源部内蔵モデル「077」(¥4,400,000/税別)もラインアップされている。

(藤岡 誠)

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