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iOSを出力端末に設定できるように

iPhone/iPadをブリッジに「Roon」オーディオシステムを構築可能に! 新機能をオーディオ的に使いこなす

2018/03/05 佐々木喜洋
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また限界を確かめるために、試しに次の2Lのベンチマークテスト的な曲をTIDAL Mastersで再生してみた。この曲は352kHz MQAというフォーマットでストリーミングされている。

・Nidarosdomens jentekor, TrondheimSolistene『MAGNIFICAT』より
「Arnesen: MAGNIFICAT: Magnificat anima mea」


実際に352kHzがiOS経由でも再生できた。Meridianの液晶ではMQA 352kHzと表示されている。公称だとMQAのハードウェアデコードは4倍(つまり192kHz)までの対応だが、実際は8倍(352kHz)でも対応ができることが改めて確認できた。しかもiOS経由である。2LではDXD形式(352kHz/24bit)のマスターデータも多いので、音質的には今後のMQA Mastersの高い可能性を感じる。


TIDALで配信されているMQA音源“TIDAL Masters”の352kHz MQAストリーミングの出力にも成功した

iOS対応でより柔軟にRoonシステムが構築できる

以上の検証から、iOS端末をRoonの出力に設定した場合に、現在PCオーディオで使われている高音質フォーマットのハイレゾ音源、DSD音源、MQA、そしてMQAのストリーミングであるTIDAL Mastersのすべてが正しく再生できることが確認できた。DSDネイティブ再生、MQAハードウェアデコードも可能なので、その音質の良さを最大限引き出すことができる。

音質的にはiPhoneではパソコンからのUSB直結に比べてやや劣ってしまうが、Wi-Fiで接続できるため、柔軟性はかなり高い。音質的には、iPadを使う方がより良いという結果が今回の検証では得られた。

システムの提案としては、たとえば手元にあるiPhoneでデスクトップのMacにインストールしたRoonの音源(NASに入れたものでもOK)に対して再生指示し、離れたオーディオラックにiPadを置いて、カメラアダプター経由でUSB-DACに接続するなどという使い方が考えられる。iPhone自体がRoonに対応しているため、DACがRoonReadyである必要はないこともポイントだ。

ネットワークオーディオでRoonを導入するためには、RoonReady機器が必要である。ただしRoonReady機器は、現在でも多いとは言えない。そこで以前はラズパイを使用したRoonブリッジを提案したが、やはり取り組みにくいという方も多いだろう。

だが、もし家に使ってない古いiPhoneやiPadがあれば、それを簡単にネットワークトランスポート(Roonブリッジ)にでき、しかも高音質音源が使えることになる。これはオーディオシステムの可能性を大きく広げてくれるのではないだろうか。

(佐々木喜洋)

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