【特別企画】「K550MKIII」「Q701」で実践

レコードをAKGのヘッドホンで聴いてみたら、スピーカー再生にはない楽しさがあった

土方久明

前のページ 1 2 次のページ

2017年11月20日
レコード再生が世界的なブームとなっている。再生する機材がやレコードそのもののカッコよさ、音楽性の高さや音質が改めて評価され、若者から年配まで人気が出ているのだ。国内外の人気アーティストが多くの新作をリリースするなど、ファッション的な要素も後押しとなっている。

その一方で、「レコード再生は難しい」「多くの機材と広い部屋が必要」というイメージをお持ちの方もいるかもしれない。だが断言しよう、決してそんなことはない。ブームのおかげもあり、比較的安価な機器も発売されている。そう、レコード再生にチャレンジするのは、いまが絶好のタイミングなのである。

ここでは、省スペースかつ簡単にレコードの良さを引き出す、“ヘッドホンで聴くレコードスタイル”を提案してみたい。


ヘッドホンがあればレコードが省スペースで楽しめる

レコードとヘッドホンの組み合わせがなぜ良いか。その理由の1つはコンパクトにシステムを構築できる点にある。必要な機材はアナログプレーヤー、ヘッドホンアンプ、ヘッドホンの3つ。レコード再生に不可欠なフォノイコライザーをアナログプレーヤーかヘッドホンアンプが搭載していなければ別途必要となるが、それを入れても4つだけ。オーディオラックに設置することはもちろん、120cm幅くらいの少し大きなサイズの机であれば、デスクトップシステムとして構築することも可能だ。

デスクトップにプレーヤーとアンプを置くことも十分に可能

まず、ヘッドホンは密閉型と開放型の両方でそのサウンドを確かめるため、リファレンスにふさわしい実力があり、かつレコードをオシャレに楽しむという意味でデザイン面も優れたモデルが欲しい。そこでAKGの2モデル、密閉型の「K550MKIII」と開放型の「Q701」を用意した。

K550MKIIIはAKGから発売されたニューモデルで、定番モデルとして人気の「K550MKII」をリケーブル対応としてリファインした。これにより純正アップグレードケーブル「C200」を利用した音質チューニングや、断線した際のケーブル交換にも対応できるようになり、さらに魅力が高まっている。

「K550MKIII」

また、振動板にマイラー素材による50mmドライバーや、軽量アルミボイスコイルの採用。そしてハウジング内にバスポートを備えるなど独自のベンチレーション機構により、背圧をコントロールして密閉型ながら抜けの良い低音再生を可能としている。

Q701は、同社のリファレンスオープン型ヘッドホン「K701」をベースに、音楽プロデューサーのクインシー・ジョーンズとコラボしたモデル。大きな魅力として挙げられるのが、振動板の動きを最適化する層とダイヤフラムの不要振動を抑える層という同社独自の2層構造振動板「2レイヤーダイヤフラム」を搭載。そしてそのダイアフラムを重低域から超高域までを再生するサウンド・ゾーンと、その動きを支えるムーブメント・ゾーンの2つの部分で構成する「バリモーションシステム」としたことだ。

「Q701」

さらにフラットワイヤーボイスコイルとネオジムマグネットを組み合わせたドライバー部により、ワイドレンジな再生を実現している。加えて高い装着性を求めた3D-Formイヤパッドやセルフアジャスト機能付きのヘッドバンドなど、長時間のリスニングでも快適に楽しめるAKGならではの作り込みが為されている。

両モデルはリケーブルにも対応。純正アップグレード・リケーブル「C200」を組み合わせることもできる

アナログプレーヤーにはフォノイコライザーを内蔵、さらにトーンアームやカートリッジも付属するオールインワンモデルとしてコストパフォーマンスが高いTEAC「TN-350」を使用。そしてヘッドホンアンプには高インピーダンスヘッドホンを愛する少々ディープなヘッドホンマニアの要求にも応えるべく、同じくTEACのデュアルモノラルUSB DAC/ヘッドホンアンプ「UD-503」をチョイスした。

さて、ここからいよいよヘッドホンで聴くレコード・サウンドをレビューしていきたい。

ヘッドホン×レコードには、スピーカーにはないメリットがある

前のページ 1 2 次のページ