XXシリーズに登場した新ワイヤレス機を試す

【レビュー】JVC「HA-FX33XBT/FX11XBT」 ー 低音を強化したネックバンド型Bluetoothイヤホン

高橋 敦
2017年09月20日
「重低音&タフ」をコンセプトに登場し、いまや定番としてすっかり確立されたJVC「XX(XTREME XPLOSIVES)」シリーズ。定番シリーズであればこそ、今この時代、Bluetooth対応モデルの追加を期待されるのが当然だ。メーカーとしてもそこは意識するだろう。

ということでその期待に応えるワイヤレスなモデルが一挙に登場した。「HA-FX33XBT」と「HA-FX11XBT」だ。それぞれの予想実売価格1万円前後と8,000円前後。

HA-FX33XBT

特にそのように明記はされていないが型番やスペック等から、それぞれワイヤードモデルの「HA-FX33X」「HA-FX11X」がベースと思われる。そしてその部分、つまりイヤホン本体の他の部分の外観やスペックはほぼ共通だ。その共通部分から紹介していこう。

ネックバンドスタイルとすることで大容量バッテリーを搭載し、連続再生14時間を確保。このシリーズデザインのコンセプトでさらに「大容量バッテリー」と言われると「すごいごついデザインで重量もあるのでは?」のような不安を覚えたかもだが、そんなにゴツくもないし、重量も47gとネックバンド型として一般的な質量なのでご安心を。

とはいえもちろん、イヤホン本体のハウジングはエラストマー素材のタフラバープロテクターをまとい、XXの魅力であるゴツさと迫力も発揮している。

サウンド面の技術要素としては、まずはシリーズ従来通りに、独自の音響構造「エクストリームディープバスポート」でパワフルな重低音再生を実現。

加えてワイヤレスモデルならではのポイントは、アンプ回路に「バスブースト回路」を搭載することで低音域の迫力をさらに増してあること。イヤホン本体側のアコースティックチューニングに加えてワイヤレスレシーバーとしてのエレクトリックチューニングによって、シリーズのサウンドコンセプトをさらに強く打ち出してきている。

こうした共通点があった上で、上位モデルのFX33XBTのみのポイントは、10mm径ネオジウムドライバーユニットの振動板にカーボン素材、ハウジングには金属素材を採用すること。より俊敏に正確に動作する振動板と余計な振動は抑えるハウジングの組み合わせだ。

なおカラーバリエーションはFX33XBTはブラック&レッド、レッド、シルバーの3パターン。FX11XBTはブラック&レッドとブラックの2パターンだ。

HA-FX11XBT

というようにおおよその仕様は重なっているFX33XBTとFX11XBTだが、サウンドの違いは意外なほどに大きい。大まかに言うと「バランスにも優れるFX33XBT」と「怒涛の低音特化なFX11XBT」といったところ。

FX33XBTはパッケージに謳われる「極キレ!」のキャッチコピーの通り、低音にしてもボンと大きく出すのではなく、そのエネルギーは保ったまま制動を効かせてスピード感のある低音。そして高域側も心地よい硬質さでやはり歯切れが良い。良質な低音を備えているがそこだけに特化してはおらず、「バランス+迫力」タイプとしてうまくまとめられている。

小松未可子さん「また、はじまりの地図」イントロのピアノリフでは、そのガチンと来る硬質な音色、ハードタッチをしっかり再現。ここをガツンと決めることで「ロックピアノ」感を出してくれる。ドラムスもボワンと響くのではなく、打点からストレートに飛んでくるようなタイトな音色と無駄なくスピード感のある響き。ベースも引き締まった音色で、休符がぴたっと止まる気持ち良さ、それがあってこそのドライブ感といったところも味わえる。

そして楽器の中で特に好感触なのはほどよく歪んだギター。音色のエッジが際立ち、カッティングのキレがさらに引き出される。まさに「極キレ!」だ。

「ベースのドライブ感」「ギターのエッジ」」といった表現を並べたことからもおわかりかと思うが、ロックテイストのバンドサウンドには特にフィットするイヤホンという印象。

対してFX11XBTは、音のキレや高域の明瞭さといった普通であればそこは欠かせないような基本要素さえも振り払って低音のボリューム感に特化した超個性派。

さきほどの小松未可子さん「また、はじまりの地図」イントロのピアノも、ガチンとしたアタックはなくなるのだが代わりに音が分厚い!ドラムスやベースは「タイトさだとか制動だとかなんてつまらないことは言いっこなしだぜ!」とばかりに盛大にドカンと響く!

オーディオの一般常識からはかけ離れたサウンドなので、好みに合う合わないはかなりはっきり出るだろう。なので逆に、他のどんなイヤホンを聴いてもしっくりこなかった方にこそこれがハマるなんてこともあるかもしれない。「低音!とにかく低音!」という方や「低音が好きというか鋭かったり硬かったりする高音が苦手……」という方などはこちらを試してみる価値ありと思う。

見た目はそっくりな兄弟モデルなのに音は完全に別物!価格差もそれほど大きいわけではないので、どちらを選ぶかは本当に音の好み次第だ。