HOME > レビュー > 【レビュー】B&W「700シリーズ」のステレオスピーカー全6機種を、藤岡誠が早速聴いた

連載<オーディオワンショット>

【レビュー】B&W「700シリーズ」のステレオスピーカー全6機種を、藤岡誠が早速聴いた

公開日 2017/09/11 11:22 藤岡誠
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
そして、ブックシェルフ型とトールボーイ型の各1機種には、キャビネットの天板部にトゥイーターをマウント(トゥイーター・オン・トップ)しているが、それらはアルミニウムの無垢材から削り出した高剛性ボディの前面に収容。このボディは振動系の放熱効果もあって耐入力をアップさせているとのことだ。

ネットワークはCM S2とほぼ共通だが、一部の部品は高品位化されているようだ。クロスオーバー周波数も変化はなく、2ウェイ型は4kHzで3ウェイ型は350Hz・4kHzである。インピーダンスはすべて4Ω。入力もすべて4端子のバイワイヤリング方式である。そしてキャビネットは背面ダクトのバスレフ方式に統一され、仕上げは前述の通り2仕様である。また、トールボーイ・フロア型には底部に台座が付属するが、この点も共通コンセプトである。

ステレオスピーカー 6機種を試聴。その音質をレポート

それでは各モデルを、実際に試聴した印象も含めてシンプルに紹介しよう。センター用システムは省略させていただく。なお、各モデルの仕様・データはほとんどCM S2の対応機種と共通することを知っていていい。

707 S2 ¥157,000(税別ペア/ブラック)

707 S2

新700シリーズ最小のブックシェルフ型で2ウェイ。ミッドバスは13cm口径。トゥイーターはカーボン・ドーム型。いずれも「新ユニットの簡単な特徴」の項目で紹介したタイプであることはいうまでもない。本機は、CM S2シリーズで対応する「CM1 S2」(¥128,000・税別ペア/ブラック)の進化型。

聴こえはヴァイオリンの倍音成分が伸張。中域周辺がやや明るい傾向で、CM1 S2と比べると解像度がアップし現代的である。一般向きとして無難なシステム。外形寸法はW165×H280×D276mmで、質量は6kg。


706 S2 ¥245,000(税別ペア/ブラック)

本機はCM S2シリーズでの「CM5 S2」(¥180,000・税別ペア/ブラック)に相当する2ウェイ・ブックシェルフ型。ミッドバスは16.5cm口径。この口径に対応してキャビネットはW200×H340×D301mmで質量は8kg。

706 S2

聴こえは、能率が707 S2の2倍以上だからストレートでアクティビティのあるサウンド。音域バランスも良好でクラシックも安定に聴かせる。ミッド/バスのフレームの“鳴き”が大幅に抑えられた効果も大きい。


705 S2 ¥336,000(税別ペア/ブラック)

706 S2と基本的に同一の2ウェイ・ブックシェルフ型。写真からもお判りだろうが、キャビネットのトップに高剛性ボディに収容されたトゥイーターがある。CM S2シリーズでは「CM6 S2」(¥330,000・税別ペア/ブラック)に相当し、価格差の少なさは魅力だ。キャビネット本体の外形寸法は、姉妹型の706 S2と同一だが、“オン・トップ”のトゥイーターを加えると高さは407mmとなる。質量は9.3kg。706S2と比べ1kg以上重いが、これはトゥイーターのボディの質量と理解されたい。

705 S2

聴こえはブックシェルフ型として一流。全体の方向性は706 S2に近似するが、音場空間での奥行き方向の再現性が優れる。もしも、ピュアオーディオを志向するなら、3機種のブックシェルフ型の中では本機をお薦めする。

次ページフロア型3機種を試聴。意外なほど抑えられた価格にも注目

前へ 1 2 3 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE