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深みのあるサウンドが特徴

Lotoo × ENIGMAcoustics「Dharma D200」レビュー。ハイエンドブランドがコラボした注目イヤホン

公開日 2017/07/28 10:04 野村ケンジ
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■全ての楽器の音が喧嘩せずにストレートに伝わってくる

とはいえ、Dharma D200の真骨頂はやはりサウンド。ということで、プレーヤーにPAW Goldを使い、その実力の程をチェックしてみた。

確かに相性の良さはなかなかのもの。PAW Goldらしさ、とてつもなく良好なトランジェントと、歪み感の少ないストレートな表現のサウンドを存分に味わうことができる。おかげで、ヴァイオリンはボーイングが普段よりも弾むようなメリハリのある演奏に感じられるし、チェロは深みのある雄大なサウンドが楽しめる。

特筆したいのが、定位感の確かさと重奏感だ。左右だけでなく、奥行き方向にも音場的な広がりや定位感がしっかりと再現されていることに加え、全ての楽器の全ての音が喧嘩せずストレートに伝わってくるため、広がり感の大きい、深みのあるサウンドを楽しむことができるのだ。これは良い。確かに、専用チューニングされただけの相性の良さはある。

■グルーヴ感の高いサウンドがDharma D200の持ち味

一方、Dharma D200自身のサウンドキャラクターはというと、トランジェント性能を重視していることもあってか、高域がやや鋭く、低域はしっかり量感を確保しつつもフォーカス感に注力した印象で、ハードロックやテンポの速いジャズなども、グルーヴ感の高いサウンドを楽しむことができる。また歌声も魅力的で、男性ヴォーカルはキレ良く、それでいて深みのある歌声を聴かせてくれる。女性ヴォーカルはややハスキーな、大人っぽい雰囲気が漂う。

今回はDharma D200とPAW Goldを組み合わせて試聴

いろいろな楽曲を試聴していて、「Jポップなどの組み合わせだとやや高域が鋭すぎかな」「リラックスして長時間聴くのは厳しいかな」とは思ったものの、このあたりはPAW GoldのEQセッティングを活用すれば好みに合致させることができる。オススメはPop。こちらをチョイスすると、音の広がり感やメリハリの良さ、声の伸びやかさはそのままに、高域が鋭すぎず自然な印象へと変化してくれる。なによりも、ヴォーカルがグッと前にせり出してきて、より印象的な歌声になってくれるのが嬉しい。特に女性ヴォーカルは、顔が近すぎて(+声がリアルすぎて)聴いているこちらが照れてしまいそうになるくらい。こういったEQとの相性の良さも、専用チューニングならではの恩恵といえるかもしれない。

このようにDharma D200は、PAW Goldユーザーにとっては必聴といえるほど、コンビネーションの良いサウンドを持ち合わせている。Lotoo製プレーヤーのレファレンスイヤホンとして、ぜひオススメしたい製品だ。

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