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映像処理エンジンだけではない高画質の秘密

「ソニーの有機ELテレビ」の実力とは? BRAVIA「A1シリーズ」速攻レビュー

公開日 2017/05/08 12:16 折原一也
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画面から音が出るだけでなく音質も良い「アコースティック サーフェス」

A1シリーズのもう一つの大きな特徴でもある、画面から音の出る「アコースティック サーフェス」についても、発表情報から補足しよう。
 
構造上バックライトのない有機ELテレビの構造を活かし、背面にある左右合計4基のアクチュエーターを用いて画面から音を出す「アコースティック サーフェス」は、技術者の言葉を借りれば「アイデアはブラウン管の時代からあるし、誰でも思いつくもの」だ。ソニーも実は、2007年発売のXEL-1の欧州モデルで、フレーム部分を振動して音を出す構造を採用していた。

A1シリーズを横からみたところ。スタンド部にサブウーファーを搭載する
 
では何が特別なのかというと、画面からただ音が出るだけでなく、テレビ前面のガラスという振動板に不向きな素材で、薄型TVのスピーカーとして通用する水準の音に仕上げたこと。そこで用いられたのが、オーディオメーカーとしてのソニーが持つノウハウだ。

背面中央に設置されたバーに左右計4基のアクチュエーターを搭載。これが画面を振動させる仕組みだ

シミュレーションと商品試作220回を繰り返し、振動抑制を抑制するバックパネルとの間の内部構造、そして熱対策までを徹底的に詰めていった。

その結果生まれた「アコースティック サーフェス」は、本当にピタリと画面から音が出る、今までにない映像体験をもたらせてくれる。スタンドに前向きに設置されたサブウーファーと合わせて、画面との一体感という点では非常に完成度の高いスピーカーだ。



じっくりA1シリーズをレビューしていくと、やはりどこを取ってもソニーの技術が組み込まれた有機ELテレビと言える。

ハイエンドモデルまで購入の視野に入れるAVファンにとって、ソニーが映像・音声の両面で、技術開発をひたむきに行っているメーカーである事はご存知の通り。そのソニーが手がけた有機ELテレビの完成度もまた、極上のものだ。

(折原一也)

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