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実際の移行の模様をレポート

iTunesから移行するなら最有力 ー 音楽再生/ライブラリ管理ソフト「Swinsian」を試す

公開日 2017/04/20 12:02 高橋 敦
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また、iTunesからの移行先ということであれば、「今だったら使い勝手にしても機能にしても『Roon』という選択肢もあるのでは?」という意見もあるかもしれない。

しかし同じく今回の動機として、「ファイルやタグなどのライブラリ管理をアプリやサービスに任せないで自分でやっていきたい」「ストリーミング等とも切り離したい」というのがある。Roonの持つ強みの大きないくつかが、僕には不要なものというわけだ。それだとRoonを選ぶ意味はない。

なお「Swinsian」について不安材料も挙げておくと、あまりメジャーなアプリではないため、開発と提供の継続性にはあまり安心はしていない。僕がこれまで注視しつつも導入はしないでいた理由のひとつはそこだ。

しかし先日に久々のアップデートが立て続けに実施され現時点での開発の継続は確認でき、導入に踏み切った。

また、今回そもそもライブラリ管理は原始的な手作業に移行し、普通にファイル名とフォルダ階層と標準的なタグを中心にライブラリを構築するため、再生アプリへの依存度は低くなる。仮に残念ながらSwinsianの提供が停止される日が来たとしても、他アプリへの移行に大きな負担はないと踏んでもいる。

そしてまたこのライブラリは、今後に仮にネットワーク再生システムとの連携を導入する際にも、それとの親和性が高いはずだ。

リッピングとタグ編集は専用ツールにおまかせ

ということで新環境の中心には「Swinsian」を採用。続いてその周りを固めるツールを考えていこう。まず大切なのは、

・CDリッピング
・タグ編集


の部分だ。タグ編集はSwinsianでもできるのだが、それ以上に便利なツールがあるのだからそちらに任せるのがよいだろう。と言いつつも、ここは改めて考えるまでもなく、これまでも使っていたアプリに不満がないのでそれを使い続けることにした。

・CDリッピングには「XLD」(http://tmkk.undo.jp/xld/
・タグ編集には「Tag Editor」公式サイト

まずMac用リッピングソフト「XLD」は、本当に迷う必要もない超定番。CDリッピング専門ツールではなく、音声ファイル全般の相互変換アプリであり、その機能のひとつとして「高精度なCDリッピング」機能も搭載。基本的なタグはCDDBから取得してくれるし、単体アプリであることの他はiTunesでのリッピングと使い勝手もさほど変わらない。

高精度なCDリッピング!リッピングに要する時間は長くなるが安心感はある


CDDBからのタグ取得機能も搭載

ただし大きな違いは、ロスレスのリッピング形式の選択肢にALACの他にFLACも出てくること。どちらもロスレスなので音質に有意な差はないが、ならばハイレゾ配信も含めより広く利用されているFLACを選ぶのが自然だろう。

タグ編集ツール「Tag Editor」は、というかこれに限らずタグ編集に特化した専用ツール全般は、実に便利なのでぜひとも検討&導入をおすすめしたい。こちらの「Tag Editor」は簡単に言うと「表計算ライクなタグ編集ツール」だ。例えば以下のスクリーンショットのように……

複数曲のセルをドラッグで選択してアルバムアーティストを一括入力!


CDDBから取得のアーティスト名が「featuring 〜」のように頭が欠けていたので検索&置換で「Q-MHz featuring 〜」に一括変更!

だいたいわかってもらえたかと思うがこの「表計算ライク」の利点として大きいのは、

・「すべての曲のタグを見渡せる一覧性」
・「曲をまたいだ複数のセル、すなわちタグ項目を任意選択して一括編集できる」
・「タグの検索と置換」

の3点だ。このアプリはさらに「任意のタグを流用してファイルをリネーム」、例えば「トラックナンバー_アーティスト名_曲名.flac」のように、といった機能も備えており、手動でのライブラリ管理の補助もしてくれる。

ただこちらのアプリ、App Storeのフリー版と有料版、ウェブ配布のフリー版と3種類あり、その違いがいまひとつ判然としない。バージョンナンバーが最新なのはウェブ版のようだが。

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