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【特別企画】「まさに家庭にピッタリな調音材」

変幻自在な吸音・拡散 − コスモプロジェクトの調音材「スローピー」実力徹底チェック

公開日 2017/03/29 10:21 鴻池賢三
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特徴は、インテリア性と使い勝手の良さ。45cm四方に3つの傾斜を持つパーツを組み込み、変幻自在なスタイルが新しい。

3つとも全て反射材で、設けられた角度によって拡散効果が期待できる「SP450K3」、両端2つが反射材で真ん中が吸音材の「SP450K2」、真ん中1つが反射材で両端2つが吸音材の「SP450K1」、そして、3つとも全て吸音材で、反射部の無い「SP450K0」と、4つのパターンが用意されている。見た目は同じで統一感を保ちながらも、音響的には組み合わせによる自在な調音が可能と言う訳だ。

吸音素材と拡散素材の組み合わせが異なる4タイプを用意。外見はどれも同じなので異なるタイプを組み合わせて複数使いした場合でもデザイン面を統一できる

「スローピー」の名の通り、表面は傾斜を持つ構造に仕立てられているが、これは、音響的な特性を考慮しているだけでなく、平面的になりがちな壁面に立体感と変化を与え、インテリアとしても機能する。従来の調音材にインテリアを高い次元で融合させたアイデアは驚くべきで、これまで同社が家庭用調音材で実績を積み重ねてきた経験が活かされているようだ。

ファブリック調でデザイン性も高い。リビングなどに使っても部屋全体のデザインを損なうことはなさそうだ

写真に映っているものだけでなく、ベージュ/ブラウン/ブラック/カーキ/レッドの全5色をラインナップ。インテリアに合わせて幅広く組み合わせることができる

■設置の手軽さも魅力

「スローピー」のコンセプトやデザイン面でのポイントは理解できたが、実際の調音効果はどうだろうか? 今回は、ホームシアターを想定し、視聴室で5.1ch再生環境を整え、実力を確認することにした。

「スローピー」は本来、複数枚を組み合わせてきめ細やかな調音を行えるのがミソだが、今回は効果を確認するための実験として、最も調音材が効果を発揮する、フロントスピーカーの1次反射面(一般的なホームシアターを想定し、スピーカーを両サイドの壁面に寄せ、近接する側壁のツイーターとウーファーの高さ)に、スローピー4種を順次設置し、それぞれの音の変化を検証した。

フロントスピーカーの1次反射面にスローピーを取り付けて効果をチェックした

まずは壁への貼り付け作業。基本として同製品は、まず、同梱されているマグネットシートを壁面にホッチキスなどで固定しておき、次に、スローピー本体を磁力でくっつける仕組みになっている。

製品は2枚1組

製品には“型紙”が同梱されており、それを基準にしてマグネットシートを壁に固定していけばいい。この配慮のおかげで下準備を短時間で終えることができた。マグネット式なので、吸音と反射が異なるタイプに変更したい場合も手間が掛からない。もちろん、回転させて縦横を変更するのも自在だ。

同梱の型紙をガイドにすることでマグネットをズレなく簡単に壁へ貼り付けられる

■試聴:各モデルでの効果の違いは?

実際の音質とサラウンド効果は、映画「シカゴ」の一場面「オール・ザット・ジャズ」を用い、反射材(全拡散)から吸音材が増える方向で取り替えて確認した。

まずは、全部反射材で拡散板として機能する「SP450K3」。バンド演奏が艶やかで堂々たる響きを保ったまま、音色を素直に改善できた。観客の立てる物音が浮き出て包み込まれる感もアップする。

無対策の部屋では、1次反射で仮想のスピーカーが出現し、干渉による周波数特性の乱れ、言い換えると音色の変化が生じる「鏡像現象」が問題になりがちだが、「SP450K3」を用いると、角度が異なる反射面の組み合わせが適度な拡散効果を生みだし、先述のような好ましい効果を発揮したようだ。「傾斜」は、デザインだけでなく、調音にも寄与することが分かった。

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