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TIDALのMQAストリーミングを再生可能

「Audirvana Plus 3」を早速試す。新機能MQAデコーダーの出力制限も検証

公開日 2017/03/14 11:48 土方久明
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現状、TIDAL MASTERSから提供されるMQAアルバムを96kHz以上でネイティブ再生したければ、Brooklyn DACのようなMQAデコーダー内蔵オーディオ機器(サンプリング周波数の上限はその製品のDAC部に左右される)が必要になるということがわかった。結果をまとめると、以下のようになる。

・Audirvana Plus 3とMQA非対応DAC → 最大96kHz/24bitまでネイティブ再生可能
・Audirvana Plus 3とMQA対応DAC → 96kHz/24bit以上が再生可能(上限はDACのスペックによる)

試聴で気になった点についても記しておきたい。これはそもそもTIDAL側のユーザーインターフェイスに起因しているようだが、アルバム名に「MQA」などの表記がなく、一見して通常の音源と区別がつかない。MQAタイトルを見つけるには、「Masters」メニューに表示されるアルバム一覧を参考にするしかない。

さらにMASTERSメニューで表示されるアルバムは530タイトル弱(3/11現在)なのだが、ここに表示されていない作品でも実はMQAで配信されているタイトルが少なくないようで、これらは実際に再生して確かめる以外に見つける手段がない。TIDAL側でも、TIDAL MASTERSのデータベースの管理が追いついていないようだ。海外では膨大なTIDALのライブラリからMQAアルバムを探し出して、それをスプレットシートにまとめているユーザーコミュニティも出現している。

今回、Audirvana Plus 3とTIDAL MASTERSの組み合わせを試して、一人のオーディオファンとしては「すごい時代がやってきた」と感じた。音質も、Brooklyn DACを使用したこともあって大満足だった。一方で、ストリーミングでここまでの音質を聴けてしまうことに複雑な気持ちになったのも事実だ。繰り返すが、現在のところ日本ではTIDALのサービスが開始されていないので、今後の進展を見守りたい。

MQAはハイレゾ相当の音質とファイルサイズの小ささで次世代フォーマットとして期待されている一方、再生には対応ハードが必要だった。しかしAudirvana Plus 3を使えば、ソフトウェアによるデコードで、96kHzまでならばMQAのポテンシャルをフルに楽しめる。MQAの音質が気になっている方は、ぜひ試してみてほしい。

(土方久明)

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