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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第174回】高橋敦の“超”個人的注目アイテムランキング『ポタフェス2016冬』編!

公開日 2016/12/22 10:00 高橋 敦
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【第2位】イヤパ界の開拓者!YAXIの新発想!

当初は主にMDR-CD900STをターゲットにした交換用イヤーパッドを展開。さらにHD25など他のモデルに向けたタイプや素材を変えたタイプも投入して、ラインナップを広げているYAXI。

定番名機はその設計時期の古さからか、装着感がいまひとつな場合も少なからずだが、そこを改善してくれるアイテムとして人気を博している。そのYAXIが今回参考出展していたのがこちらの新型イヤーパッド。

内側の素材が前後で違う!?

左が従来の900ST用、右が今回の参考出展アイテム

これまでのタイプとの違いで最大のポイントは、イヤーパッド内側の素材が前後で異なること。プロテインレザーとマイクロファイバーだろうか?

便宜上「前後」と書いたが、メーカー側からのどちらが前でどちらが後ろかという指定はなし。どちらが前になるように付けてもOKでその前後によって音が変わるので、そこはユーザーに委ねるとのことだ。展示機では付けたままくるりと回して前後を入れ替えることもできた。これは面白そうだ。

想像としては、耳の向きからしても耳との間に音が響くスペースが大きく空いていることからも、前側の素材の影響が大きくなりそうな気がするが……完成品が実際に登場したらぜひ試してみたい。

【第1位】だって音が好みだから……問答無用のJH16 V2 PRO

JH Audioが“PERFORMANCE SERIES”と銘打つユニバーサルタイプイヤモニ「ROXANNE」「JH16 V2 PRO」「JH13 V2 PRO」が一挙登場。中でも注目は「JH16 V2 PRO」だ!……いやそれは単に僕の好みの話で、一般的にはどれも等しく大きな注目に値する。

ROXANNE。低域4基、中域4基、高域4基の合計12BA

JH13 V2 PRO。低域2基、中域2基、高域4基の合計8BA

共通要素で特に大きな要注目点は、3Dプリンティング技術を採用して小型化、フィット感を向上させた筐体だろう。合わせてノズルの角度なども調整されており、装着感はこれまでのJHユニバーサルと一段階異なるレベルに到達している。

音導管は共通でスティールに

独自のミニクワッドBAドライバー「soundrIVe Technology」や、位相制御技術「freqphase Technology」など、音響技術も最新世代を搭載。弱点を潰し、強みを伸ばしたシリーズだ。

僕がJH16 V2 PROが特に好みだというのは、ルックス面でもサウンド面でも。ルックス面は完全に好みの話になるので省略するとして、サウンド面では、ROXANNEとJH13 V2 PROはシンバルなどの高域が明るく抜ける印象で、JH16はそれより落ち着いて聴こえた。そのおかげか、女性ボーカルの感触もとても自然。ベースの引き締まった骨太感もJH16のポイントに思えた。

JH16 V2 PRO。低域4基、中域2基、高域4基の合計10BA

しかし良し悪しとしての違いではないので、どれが好みかは人それぞれだろう。一通り聴いてみてもらいたい。

Astell&Kernとのコラボモデル「Michelle」も3BAとして傑出したものであったし、今のJH Audioはここ数年の積み重ねが花開き、大きな成果を生み出している印象だ。位相制御の精度といった基礎的な技術要素を弛まず高め続けることで、超多ドライバー機のサウンドをここまで磨き上げてきた。その先見と堅実さの両輪に改めて敬意を表したい。



ということで、今回のランキングっぽい何かはここまで。トップのJHは普通に要注目!2位3位のイヤーパッドとイヤーピースは見逃されてしまいそうであり、見逃してほしくないアイテムだ。


デジタルワイヤレス期待の新規格「aptX HD」とポスト真空管を提案する「Nutube」がお隣という不思議な光景

OPIブースでは12月21日発売の上田麗奈さんデビューミニアルバム「RefRain」を試聴できた
他にも、くみたてLabの何かカッコイイ名前の『VESPERモジュール』を搭載するCIEM最新機「KL-Lakh」や、Unique Melodyの新モデルラッシュ、数社が4.4mm端子リケーブルを展示などなど……ここには収めきれないほど、今回も見所満載のポタフェスだった。

高橋敦 TAKAHASHI,Atsushi
趣味も仕事も文章作成。仕事としての文章作成はオーディオ関連が主。他の趣味は読書、音楽鑑賞、アニメ鑑賞、映画鑑賞、エレクトリック・ギターの演奏と整備、猫の溺愛など。趣味を仕事に生かし仕事を趣味に生かして日々活動中。


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