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プロモデルの系譜を受け継ぎ宅録などにもオススメ

AKG「Y30U」レビュー:高コスパが魅力のシリーズ初・セミオープン型ヘッドホン

公開日 2016/03/30 10:00 山本 敦
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どちらかと言えば硬派なイメージが強かったオーストリアのヘッドホンブランドAKGに新風を吹き込んだ「Yシリーズ」に、今度はシリーズで初めてとなるセミオープン型のポータブルヘッドホン「Y30U」が加わった。ハウジングに音孔が開いているセミオープン型ヘッドホンならではの魅力と、使いこなすうえで気をつけたいポイントについてまとめながら、シリーズのニューフェイスを試したインプレッションを報告しよう。

AKG Y30

普段着の音楽に、デザインと音質のクオリティアップを提案してきたAKGのYシリーズ。既にポータブルヘッドホンの「Y40」や「Y50」が発売され、新たなAKGファンの輪が徐々に広がっている。密閉型ヘッドホンのラインナップが中心だったYシリーズに新しく加わった「Y30U」は、ハウジングに音孔を設けたセミオープン型、あるいは半開放型と呼ばれる構造を採用している点がひとつの大きな特徴だ。

ハウジングの背面に小さな音孔を設けたセミオープン型(半密閉型)のヘッドホンだ

一般的にセミオープン型のヘッドホンは、密閉型とその対極にあるオープン型の両方の良い部分と弱点を兼ね備えていると言われている。ハウジングに空気が抜ける音孔を付けることで、大型のハウジングやドライバーを搭載しなくても効率よく低音を増幅して、力強くシャープな低域が再生できるようになる。密閉型ハウジングのヘッドホンに比べると音のこもりが解消されるので、ボーカルの音像が引き締められたり、爽やかで開放感のある高域再生にも結び付く。

でもハウジングに音孔が空いているため、当然のことながら遮音性は密閉型のヘッドホンよりも低く、アウトドアリスニング時には音漏れにも気を配る必要がある。外から飛び込んでくるノイズに弱いところもデメリットだ。

このような長短所を合わせ持つセミオープン型ヘッドホン、Y30Uの使いこなしやサウンドを検証する前にいったんスペックから確認しておこう。

40mm口径のダイナミックドライバーは他のYシリーズのヘッドホンと共通。インピーダンスは32Ωなので、スマートフォンに直接つないでも十分に鳴らせる。本体の質量は106gと、密閉型のオンイヤーヘッドホン「Y40」の133gに比べてもかなり軽くなっている。AKG独自の「3D-Axis2」機構により、本体を折り畳んでから付属のポーチに入れてコンパクトに持ち運べる。イヤーパッドも柔らかく、装着感はふんわりとライトだ。

イヤーパッドも柔らかく、ライトな装着感

カラーバリエーションはブラック/カーキ/レッド/ティールブルー/イエロー/ホワイトの6色。鮮やかな北欧テイストのカラーリングは、AKGロゴのサイズ感も含めてY50よりも少しトーンを落ち着かせた印象。服の着こなしや、スマホ、プレーヤーとのカラーコーディネートもしやすくなった。ケーブルは本体左右側からの両出しタイプ。右側ケーブルのインラインにシングルボタンのマイク付きリモコンを搭載。ボタン操作の反応は機敏で正確だ。プレーヤー側のプラグはL字型になっているので、装着したスマホもバッグの中からスムーズに出し入れできた。

こちらはカーキモデル。リモコンやスライダー部分までカラーが統一されている


カーキのほか、ブラックやレッドなど全6色をラインナップしている

Y30Uのサウンドをチェック!

今回はY30Uを「Xperia Z5 Premium」に直接つないで、スマホで音楽再生の実力をチェックした。

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