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【特別企画】手頃な価格でデザイン性と音質を兼備

蘇る英国の銘機。REGAのレコードプレーヤー「Planar3」で注目アナログ盤を聴き尽くす

2016/08/25 中林直樹
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さらにヘッドホンでも試聴し、ブラックディスクのより細部に分け入ってみたい。使ったのはシュアのオープンタイプ「SRH1840」だ。

ヘッドホンでPlanar3のサウンドを確認する中林氏

METAFIVEでは、低域の深みをやはり味わうことになった。ただ、それが歪まず、演出的になっていないのはこのプレーヤーの特性だろう。濃厚だけれど、もたつかないのである。レイラ・マッカラはボーカルやチェロにしっとりとした潤いが付加される。それはどこかレトロなサウンドとマッチしている。ヴィニシウス・カントゥアリアでも歌のとろみが印象的。その響きも耳の周囲の空間と次第に馴染んでゆくようだった。

その他、スピーカーでもヘッドホンでも、ジャンルを問わず様々なディスクを試聴した。それは時間の経過も忘れてしまうほど。プレーヤー自体はシンプルな構造で、大げさになることなく日常的に触れ合えるものだ。ただ、CDや配信に慣れた読者にとっては、アナログプレーヤーはやや手間のかかる存在だと思う。しかし、Planar3にはそんな懸念をさっと拭い去る長所がある。それはこれまで述べて来た通りだ。

アナログプレーヤーはやや手間のかかる存在だが、Planar3にはそんな懸念をさっと拭い去る長所があると中林氏

もっと言えば、ディスクを手入れし、プレーヤーと触れ合い、片面が終わればリスナー自らが歩み寄って盤を裏返しにする…。そんな行為は、普段の生活に流れる時間とはやや異なる、ゆったりしたものだ。それを人生の時間感覚と結びつけられれば、幸福な音楽ライフが待っている。

アナログプレーヤーを長く作って来たブランドだからこそ、そんなユーザーの心と響き合う感覚を共有し、製品として表現することができるのだ。レガの立ち位置はあまりにも明確だ。


(企画協力:完実電気株式会社)

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