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【特別企画】ハイエンドから高コスパ機まで

いま、ゼンハイザーが推すイヤホン3機種。CX 3.00 / MOMENTUM In-Ear / IE 80一斉レビュー

2016/06/08 折原 一也
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■モバイルリスニングを意識した現代的なサウンド「MOMENTUM In-Ear」

ゼンハイザーのイヤホンラインナップのなかでも、このMOMENTUM In-Earは、他のイヤホンとは生い立ちの大きく異なるシリーズだ。同社のデザインコンシャスなヘッドホン“MOMENTUM”シリーズの製品バリエーションとして登場しており、筐体から赤い光沢を放つ美しいデザイン性を打ち出している。

MOMENTUM In-Ear(カラー:Black Chrome)

イヤホンとしての機構は、15Hz〜22kHzまでをカバーするダイナミックドライバーで構成されている。実売価格は1万円台前半で、同社のイヤホン全体として見るとミドルクラスのモデルとも呼べるだろう。

ハウジングにゼンはおザーロゴを配置

光沢のある筐体仕上げ

さっそく、MOMENTUM In-Earのサウンドを確認してみよう。CX 3.00から素直にグレードアップした音を期待して試聴すると、目指す所が大きく異なることに気付く。

ハウジングのサイド・内側からみたところ


こちらもiPhone 6に直接接続して、まずは宇多田ヒカル『Automatic』を試聴。そのエネルギッシュで空気を振動させるようなパワーは、CX 3.00とは全く異なるタイプだ。特に差が現れるのが低音の量感で、リズムの刻み以上にパワー感を発揮するダイナミックな重低音を、正確にコントロールされた響きと共に繰り出す。シンバルの刻みをタイトに鳴らす高域再生能力を備えつつ、同時に中高域はより臨場感を引き出す空間スケールと見通しの良さを備える。

SHANTIのアルバム『Born to Sing』でも、余韻たっぷり・情緒感タップリな音はフラットというよりも音楽的な愉しみを追求する印象だ。この流れで聴くとカラヤン指揮の『ヴィヴァルディ 四季 -春-』はマッチしにくいように思えるかもしれないが、中高域の楽曲のメロディをなぞる性能を発揮でき、空間を出すという点で味わいがある。

「J-POPやEDMといった現代的な音楽を気持ち良く聴く」・・・そのために、ゼンハイザーが振り切ったチューニングをしたのがMOMENTUM In-Earのサウンドではないだろうか。その狙いは大いに成功しているように思える。特に外出時、屋外や電車の中などのモバイル環境で音楽を聴くなら、このMOMENTUM In-Earが一番聴きやすいサウンドにまとまっている。

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