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【特別企画】リスニングルーム改善プロジェクト<第3回>

ヤマハの調音パネル「ACP-2」で“部屋全体で音楽を鳴らす” - 読者が自宅で効果を検証

公開日 2016/04/26 11:13 季刊オーディオアクセサリー編集部
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【3】スピーカーの後面に2枚設置
輪郭がクッキリとして奥行きも広がりも出る

金子さん「次にスピーカーの背面に2枚置いてみましょう。ここに置けば、高さ的にはいまのソファの位置のリスニングポイントをカバーできます。音の分離感や粒立ち、それからパネルがもう1枚増えるので左右への音の広がりも出るはずです」

スピーカーの後面に2枚設置。輪郭がクッキリとして、奥行きや左右の広がりも出てきた

■「マスターズ・オブ・アコースティックギター」(CD)

南雲さん「ギターの輪郭がハッキリしました。“これソナスの音? ”っていうくらいの変化です。すごくクッキリして、弦を弾く音がすごく鮮明になりました。かといってうるさい音ではありません。拡散と吸音がうまいバランスで作用しているのを感じました。ソナスの重ったるい音は抜こうと思えば抜けるんですね(笑)このソナスはドロンコーンとシルクドームのトゥイーターが先走ってしまうことがあるのですが、このパネルがあれば、きちんと整理されるのですね。弦も生き生きと鳴って、かなりビシビシきました。解像度の低いスピーカーもパリッと出せると思います」

■ドナルド・フェイゲン「ナイト・フライ」(LP)

南雲さん「これもすごくクリアになりましたね。効くのは分かるのですが、僕的にはさっきの1枚の方もバランス的には捨てきれないです。さっきの方がソナスの味わいが出ていたような気がします。ただ、こっちの方が確かに輪郭が出てくる分、音場も立体的になり、奥行き感も出てきますね」

■セシリア・ノービー「サマータイム」(CD)

南雲さん「これは1枚の時より広がりが出てきました。その分定位は窓に1枚の方が良かったかもしれません。確かに2枚だと左右に広がる感じはよくわかりました」

【4】スピーカーの両脇にハの字で設置
スピーカーの存在が消え、音楽だけが浮かんでくる

金子さん「今度はスピーカーの背面2枚を残したままで、両脇にハの字に2枚を追加しましょう。この設置方法は前回の君嶋さん宅でも大きな効果を発揮しましたので」

スピーカーの背面2枚を残したままで、両脇にハの字に2枚を追加。スピーカーの存在感が無くなり、楽器の音だけが浮かぶような効果を発揮

■セシリア・ノービー「サマータイム」(CD)

南雲さん「かなり芳醇になりヴォーカルの定位も戻ってきました。これはすごい」

金子さん「いまは音響的にシンメトリーな空間ができています。本来このお部屋は左がカーテンで右がドアといった吸音と反射の状態ですので、左右のバランスがよくなったことで楽器の位置関係なども見えてきたのだと思います」

南雲さん「そうですね。スピーカーの存在感も無くなって、楽器の音だけが浮かんでいる状態ですね。これはいいな」

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