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海上忍のラズパイ・オーディオ通信(9)

ラズパイ・オーディオのクライアントアプリを変えて外観や操作性をイメチェン!

公開日 2016/01/15 10:00 海上 忍
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■クライアントアプリを着替えよう

Volumioに用意されているWEBインターフェイスも、MPDクライアントの一種だ。Volumio上ではWEBサーバが稼働して常に命令待ちの状態であり、WEBブラウザが発した命令をMPD本体に伝えるという点ではPC/スマートフォンアプリと変わらない。ただし、VolumioのWEBインターフェイスはWi-Fi設定やDACの選択など、システム設定機能も組み込まれているため、独立配布されている他のPC/スマートフォンアプリと一括りにすることはできない。

クライアントに求められる機能だが、曲名/アルバム名とアーティスト名をもとに選曲し、再生/停止などの指示をMPDへ出せれば、一応は水準に達していることになる。しかし、それではいかにも寂しい。画面にはアルバムカバーなど画像のあるほうが映えるし、なにより直感的だ。

VolumioのWEBインターフェイスにそのような機能はないが、アーティスト名や曲名をたよりにアルバムカバーを取得できるアプリがあれば……そう、そんなアプリを用意すれば「ラズパイ・オーディオ」の印象も変わるに違いない。

Androidの「Droid MPD Client」はGooge Playで無償公開されているMPDクライアントだが、特に作業しなくても、曲名/アルバム名とアーティスト名をもとにインターネット上で収集したアルバムカバーを自動的に表示する機能を持つ。画像はやや小さめだが、文字中心の画面に花を添えるという意味ではじゅうぶん効果的だ。

Android向けMPDクライアント「Droid MPD Client」。アルバムカバーの自動取得機能がうれしい

Mac用の「Theremin」とWindows用の「Cantata」(Mac版/Linux版あり)も、面倒な設定なしにアルバムカバーが表示されるMPDクライアントだ。PCからラズパイ・オーディオを操作することを推奨するかどうかはさておき(PCにUSB DACを直結したほうが話は早いという見方もできる)、多様な選択肢があるということ自体に意味があると考える。

Mac向けMPDクライアント「Theremin」。操作体系はシンプルながらアルバムカバー表示機能を装備している

WindowsやMacなど多様なOSに対応するMPDクライアント「Cantata」。画面はWindows版

iOSには定番のMPDクライアント「MPoD」が存在し、アルバムカバー表示機能も備えているが、オーディオファイルに埋め込まれた画像は無視されてしまう。アルバムカバー自動取得機能もなく、アルバムごとに画像をJPEGで用意しなければならないという手間はかかるが、外観は大きく改善される。

MPDクライアントとしての機能を備える無償iOSアプリ「MPoD」。有償のiPad版「MPaD」も公開されている

iPad専用MPDクライアント「MPaD」。なにも設定しなくてもアルバムカバーが表示される点がうれしい

もしMPoDを利用しているのならば、SSHでRaspberry Pi(Volumio)にリモートログインし、以下のコマンドを実行してみよう。


その後、MPoDのADVANCED設定画面にVolumioのURL(ホスト名を変更していなければ「http://volumio.local/album」となる)を登録すれば、MPDと連係しているWEBサーバが楽曲保存領域を認識可能となり、MPoDに画像ファイルが表示されるようになるはず。アルバムカバー画像は「Folder.jpg」(大文字/小文字の区別を正確に)として、アルバムのフォルダごとに保存すればOKだ。

iPhone用MPDクライアント「MPoD」でアルバムカバーを表示する場合は、ADVANCED設定画面にVolumioのURLを登録しておく必要がある

(海上 忍)

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