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<山本敦のAV進化論 第80回>NTTぷららに展望を聞く

ひかりTVの「スマホ向け4K HDR配信」を体験。スマホで4K/HDRは大いにアリ!

公開日 2016/01/14 10:00 山本敦
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「ひかりTVでは4K配信にずっと力を入れてきたので、モバイル向け4K配信についても他社に先駆けていち早く提供できるよう下準備を進め、適切なローンチ時期をうかがってきました。昨年秋、NTTドコモから世界初の4Kディスプレイ搭載スマホ『Xperia Z5 Premium』が出ることが決まった時点から最終的な調整を詰め、11月20日から『ひかりTV どこでも』の4K VOD対応を実現しました」。

「4K表示に対応するスマホは、私たちが予想していたタイミングよりも少し早く出てきました。と言うのも、当初は4K表示対応スマホが出てくるのは、クアルコムの新世代チップセット、Snapdragon 820シリーズ搭載モデル以降になるだろうとみていたからです。ところがそれよりも早く、現行のSnapdragon 810シリーズを採用する端末が4K表示に対応してきたことには驚きました」。

「810シリーズでは、モバイル向け4K動画の再生は最大4K/30pまでの対応になります。一方、ひかりTVで現在テレビ向けに揃えている4Kコンテンツは原則60pですので、モバイル向けには4K/30pのものに作り直す必要があります。現在、ひかりTVではテレビ向けに約450本の4K VODコンテンツを揃えていますが、モバイル向けがそのうち62本(※12月末の取材時点)にとどまっているのは、このような理由からです」。

NTTぷらら 土井氏

4Kのテレビ向けコンテンツをモバイル向けに変換するための実作業は、相当に手間がかかるものだと土井氏が補足する。

「当社にはテレビ向けに4K VOD配信を始めてから蓄積してきた資産があり、そのうち、権利関係などがオープンになっているものから優先して変換作業を進めています」。

「いったん4K/60pで作成したファイルを、再びソフトウェア処理で非圧縮の状態にデコードし直すための時間がかかり、その後に4K/30pのデータにビットレートを変更しながら再度エンコードをかける処理には、動画ファイルの実時間に対して10倍ほどの時間がかかります。例えばもとが1時間のコンテンツなら、10時間ほどの作業時間が必要になる計算です」

ひかりTVのモバイル向け4K配信が視聴できる端末は、今のところ日本国内で販売されているソニーモバイル製の端末「Xperia Z5 Premium」に限られる。

4K HDR作品だけをソートして表示できるようになっている

4K表示非対応端末(左)では4K作品はリストに表示されない

無料で提供されている「ひかりTVどこでも」アプリをスマホにインストールし、視聴環境を整えたのち、アプリ画面左上のメニューアイコンをタップし、「ジャンル」メニューを選択する。そうすると一覧に「4K」が並ぶので、任意のタイトルを再生するという流れだ。なおXperia Z5 Premium以外の4K非対応スマホやタブレットでは、この「4K」のメニュー自体が表示されないようになっている。

4K動画コンテンツの再生ビットレートは最大15Mbps、平均8Mbps前後。動画の圧縮方式はH.265/HEVC メインプロファイル8bit、音声はAACステレオという仕様だ。NTTフレッツの光回線につないでWi-Fi経由でアクセスする視聴方法が推奨されているが、宮里氏によれば環境によってはドコモのLTE回線でも問題なく見られるという。

■スマホ向け4K配信実現は苦難の連続

Xperia Z5 Premiumが発表された後、4KスマホにひかりTVの4K映像が映せるようになるまでに一苦労があった。「最初は4Kの映像が映らなかった」と宮里氏は振り返る。


取材の様子

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