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「意外にいい音」は本当か?

LCPフィルム振動板採用、チャレンジングなヘッドホン。エレコム「EHP-R/OH2000」レビュー

公開日 2015/12/26 10:47 鴻池賢三
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ケーブルはLch側から片出し&生え出し。近年はリケーブルやバランス接続が流行し、両出し&着脱式が多くなっているが、コンパクトな本機のコンセプトには、片出し&生え出しがマッチしていると思う。

片出し&生え出しのケーブル

ちなみにケーブル線材は、ハイグレードな銀コートOFC高純度銅線を使用していて、さらに左右のグランドケーブルを独立分離しているという凝りよう。マニアなら、プラグ部分を切り取って交換し、バランス対応させるのも面白そうだ。

プラグ部。L型を採用している

そのほか、ハウジング本体部分はヘッドバンドに対して90度回転&折り曲げが可能で、携行時はコンパクトかつフラットに折り畳める機能性も好感が持てる。公称インピーダンスは16Ωで、スマホに直接接続しても鳴らしやすそうだ。

ハウジング本体が90度回転。さらに折り曲げてコンパクトに収納できる

■ハイレゾファイルを中心に音質をチェック

試聴はいくつかのデバイスを用いて行った。まずはiPhone6にOPPO HA-2の組み合わせ。オンキヨーのHF Playerでハイレゾファイルを中心に再生した。

平井堅の「切手のないおくりもの」(96kHz/24bit)は、ディキシージャズ風のアレンジで、バラエティーに富んだアコースティック楽器とヴォーカルの組み合わせ。ブラス系楽器の伸びが気持ち良く、輝きのような表現と、息遣いによる繊細なニュアンス表現もきちんと受け取れる。終始楽器の音色が混濁せず、分離感が保たれていて、ハーモニーもゴージャスだ。最後にバンドがミュートし、その対比で平井堅の語りかけるようなヴォーカルが際立つ場面が特に印象的。

平井堅「切手のないおくりもの」収録アルバム『Ken's Bar III』

LCPフィルム振動板が余計な音を発せず、ほか、ハウジングなど全体的に固有の音色や振動を持たないことが、アーティスの音楽に込めた表現を忠実かつ高いレベルで引き出しているようだ。

低域の伸びや解像感もコンパクトで軽量な本機からは驚くべきクオリティーで、ジャズやクラシックなど、周波数レンジの広大な楽曲も楽しめた。特に低域の量感はイヤーパッドの密着性の高さも効いているようで、振動板やドライバーだけでなく、ハウジングやパッドまで含め、トータルでまとまり良く設計されている印象を受けた。

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