"ハイレゾ対応"新SOLID BASSを聴く(1)

オーディオテクニカ「ATH-WS1100」レビュー:量感だけではない「情報量志向」の低音再生力を獲得

折原一也

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2015年11月02日
オーディオテクニカ“SOLID BASS”は、2009年のデビュー以来、重低音志向ヘッドホンの市場を切り拓いた人気シリーズとして高い評価を獲得している。そんな同シリーズから、新たに機構を見直し、“ハイレゾ対応”も果たした最上位ヘッドホン「ATH-WS1100」が登場した。

ATH-WS1100

“重低音”と“ハイレゾ”、その2つを両立するために採用されたのが「DEEP MOTION Hi-Res Audio DRIVER」(ディープモーション・ハイレゾオーディオドライバー)と名付けられた大口径53mmユニットだ。高磁束磁気回路で大口径振動板を力強く駆動し、高レスポンスな振幅を実現。大口径のドライバーユニットで重低音の再生能力確保だけでなく、微細音への追従性も高めることで、中低域と高域までのレスポンスのよい再生、そして高解像を実現している。

高磁束磁気回路を搭載し、大口径振動板を力強く駆動するφ53mm「ディープモーション・ハイレゾオーディオドライバー」を搭載

さらに低音再生力を高めるため、SOLID BASSの特徴だったチャンバー(空気室)を使った機構を見直し、「EXTRA AIRFLOW-BASS VENTING SYSTEM」(エクストラエアフローベース・ベンティングシステム)と呼ばれる新たな構造を採用した。

筐体内部の空気のバネ性を最適化し低域出力の能率を向上させる正円状ベントと、通気を整えるエクストラベントを搭載。低域はもちろん中高域の高音質化も図っている

これは、ハウジング中央部に音の通過口である正円状ベントを、そしてハウジング側部には通気を整えるエクストラベントを設けるというもの。正円状ベントは、振動板への負荷を軽減するステンレス素材の音響抵抗を配置することで筐体内部の空気のバネ性を最適化し、低域出力の能率を格段に向上させることが可能。エクストラベントは通気を整えることで解像度の高い中高域を実現するとともに、低音再生にも貢献する。

ハウジングは制振デュアル・エンクロージャーデザインを採用。剛性の高い精密加工アルミニウム材を組み合わせ、ドライバー駆動から伝わる不要な共振を抑制し、歪みの少ない中高域のサウンドを引き出す設計だ。

エンクロージャーは、剛性の高い精密加工アルミニウム材を組み合わせたデュアル構造

また「ATH-WS1100」は快適に身につける装着感にも新機構が取り入れられている。イヤーパッドは、硬度の異なる2層のクッション材を使った「2レイヤード・イヤパッド」(PAT.P)構造。表面はソフトで装着性の高い素材、奥は硬めで耳とドライバーの間に一定の音響空間を作り出す素材を採用。装着感はもちろん、音質も高めるつくりとなっているのだ。

イヤーパッドは耳側は柔らかく、ドライバー側は硬いクッションとすることで、装着性を高めると共にイヤーパッドの変形による音響特性への悪影響を防いでいる。また、ケーブルは着脱が可能だ

質感重視になった圧倒的な重低音と“ハイレゾ対応”の中高域を両立

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