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小音量でも重低音がしっかり鳴る

【レビュー】屋外使用にベストマッチ。ボーズ初のNFC対応BTヘッドホン「SoundLink around-ear II」

2015/10/21 折原 一也
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ボーズらしい沈む豊かな重低音と、小音量の高音質を両立

さて、音質レビューを始めてみよう。今回の音楽リスニングは、ボーズ初のNFC対応モデルということで手持ちの「Xperia Z3 Compact」を持ち出して音質を確かめた。

まずは、スタンダードな楽曲として宇多田ヒカルの「Automatic」を聴いてみると、そこはもうボーズサウンドの世界。豊かにズシリと沈み込む重低音のビート、そしてシンバルの金属音のシャープな立ち上がり、心地良い厚みを持った中域はJ-POPの音作りにマッチする。

宇多田ヒカル『First Love』(「Automatic」収録)

ボリューム操作はスマホ側のBluetoothのマスター音量と連動するので、スマホ側からも操作しやすいタイプだ。音楽を流しながら極小ボリュームまで下げてみると、Volume optimized EQの効果が発揮され、重低音のビート感がしっかりと残る。外出時に人と会話できるようボリュームを抑えた時にも、楽曲の持つ低音の響きを正しく引き出す。バッテリー内蔵アンプで駆動するBluetoothワイヤレスヘッドホンだからこそできる芸当だが、この機能の仕上がりが相当良い。

続いてカーペンターズの「トップ・オブ・ザ・ワールド」を聴くと、ベースの響きの心地良さはやはりボーズ流。シンバルの金属音やコーラスの響きといった音場のスケール感は正しく大きく作る一方、ボーカル帯域は肉厚にピシャリとセンターで鳴らすので、音楽リスニング用として実に安定感のあるサウンドだ。

ジャズではSHANTIの「Romance with me」を聴いた。アコースティックギターの弦の位置が手に取れるような立体感、そして歌声はホールで鳴らすような音場志向の空気感で再現された。特に生々しいライブ感ある再現を求めるなら相性も良さそうだ。

SHANTI『Romance with me』

最後にアニソンより藍井エイルの「IGNITE」を聴いても、音数の非常に多いサウンドの中で、その熱の入ったボーカルは輪郭が鮮明に立ち上がり、重厚感あるベースのパワー、ダイナミックなギターの切り込みと音のレイアウトが頭の中で個別に聴き分けられるほど。立体的に音場を使い、音を散りばめる楽曲では、スケール感あるサウンド描写力がいかんなく発揮される。



実際にSoundLink around-ear IIを試用してみた。どこが「推し」かとというと、外出先での使いやすさを第一のポイントに挙げたい。遮音性に優れたハウジング、そしてVolume optimized EQによる小音量でも重低音をしっかり鳴らす音チューニング、NFC対応のペアリングの容易さといった要素すべてが屋外リスニングにベストマッチ。通勤・通学のお供に音楽をしっかり聴き込めるヘッドホンを選ぶなら、SoundLink around-ear IIは良いパートナーになってくれる事だろう。

(折原 一也)

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