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【特別企画】アコースティックデザインシステム「オープンスタジオ」開催レポート

実例から見る“音の良い部屋”づくり ‐ 楽器もオーディオも両方楽しめる防音室ができるまで 

公開日 2015/02/25 11:29 ファイル・ウェブ編集部
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もちろん当日は楽器の演奏やオーディオ再生など、実際に音を出した状態を体験可能で、楽器を持参してきた参加者もいた。ドラム演奏、オーディオやホームシアターの大音量再生などが行われた際に、記者も実際に屋外に出てみたが、音漏れは皆無。壁際に近づいて耳を澄ましてやっと「何かやっているな」と気づくレベルで、周囲は閑静な住宅街だったが、これなら近所に気兼ねなくオーディオや楽器を楽しめそうだと実感させられた。

窓は二重窓。たっぷりとした空気層を設けることによって高い遮音性を確保している

カーテンによってホームシアターに求められる遮光性を確保すると同時に、その開閉でも響きをコントロール

防音性はY・Kさんも非常に満足しているとのことで、実際に深夜2時ごろにドラムの演奏やオーディオを楽しむこともあるとのこと。防音室の真上には寝室を置かないなど、居住スペースとの兼ね合いに対する配慮もあり、深夜に大音量を出しても家族やご近所からの苦情は出ないという。時間帯を気にせず大音量を楽しめる環境は、オーディオ/ホームシアターファンからすれば羨ましい限りだ。

メインフロアの防音扉は業務用スタジオ等で使われる本格的な仕様のもの

さて、ここで重要なのが、この部屋がオーディオや楽器を“楽しめる”、つまり心地良い空間に仕上がっているということ。

防音性能を満たすだけであれば、どこの業者でも工事はできるだろう。しかし、部屋の響きを考慮せず防音だけに集中した結果、部屋が息苦しくなってしまっては本末転倒というものだ。前述のように音楽家やオーディオ/ホームシアターファンのための防音工事専門を謳い、数多くのノウハウを蓄積しているアコースティックデザインシステムだからこそ、こうした“音の良い”部屋を作り上げられたということだろう。オーディオを楽しむ際には“部屋づくり”も意識するという点には留意したい。

床は24mmのパイン無垢フローリング。柔らかく人肌にもやさしいが厚みがあるためスピーカーの音もしっかりしている

Y・Kさんも「気づいたら朝になっていて、家族から『朝帰りなの?』と言われたこともあります(笑)」とコメント。高いレベルの防音性を備えると同時に、長時間過ごしていても息苦しくならない部屋の快適さを存分に味わっている様子だった。

鏡も設置されており本格的な音楽スタジオの雰囲気も漂う

なお、Y・Kさんは「ほとんどおまかせでオーダーしました」というが、出来上がりには「非常に満足しています」とのこと。「想像以上の満足度です」と笑顔を見せる。おまかせという、ある意味では大ざっぱともとれる注文からもしっかりと施主の好みを掴み、楽器演奏もオーディオも両方楽しめる響きを持つ部屋を完成させるあたりは、同社のノウハウがなせる技と言えるのかもしれない。音が鳴るベースである“部屋”に気を使うことの重要性を改めて感じさせられた取材だった。

【問い合わせ先】
アコースティックデザインシステム
TEL/03-3239-2021
FAX/070-5591-1442
http://www.acoustic-eng.co.jp/

アコースティックデザインシステム「オープンスタジオ」公式サイト
http://openstudio.jp/

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