デノン「DA-10」モニターレポート:Y.O.さん「ハイレゾらしい空気感と艶やかな音を体感できた」

モニターレポート
2014年12月15日
デノンのポータブルUSB-DAC/ヘッドホンアンプ「DA-10」を、ファイル・ウェブの読者の皆様にお届けして、実際に試聴してもらった感想をレポートしていただいた。読者のリアルな声をお届けする。

USB接続は各パートのメリハリが聴いた迫力あるサウンド
iPodとの組み合わせでも威力を発揮した

Y.O.さん(30代・男性)

最近はハイレゾ音源を聴く機会が増えており、3.5畳の部屋で試行錯誤しながらコンパクトな高音質を追求しています。ただ、この場所で音楽を聴けるのは就寝前のわずかな時間と限られていることから、音楽を聴く機会が多い屋外にも高音質を持ち出したい! と思い、ソニー「PHA-2」、B&W「P5」、UltimateEars「UE900s」等を購入しました。PHA-2は気に入っているのですが、不満点が無いわけではなく、使い勝手や音質の面でどのような違いがあるのか確かめたく、DA-10のモニターに応募しました。

USB-DAC接続でPHA-2と聴き比べ

今回、DA-10と組み合わせて使用したヘッドホンは前述のイヤホン「UE900s」とオーディオテクニカのヘッドホン「ATH-W1000X」とです。まずはUSB-DAC接続でハイレゾ音源を聴いてみました。


MacBook Airを用いてAudioGateで再生。ヘッドホンはATH-W1000X
まず宇多田ヒカルの「automatic」(96kHz/24bit)で比較してみると、PHA-2ではイントロから透き通ったキラキラした感じがあり、空気感も含めてハイレゾらしい音を実感できたのに対し、DA-10では傾向は似ているものの、やや湿り気があり、音量を上げても耳に刺さらない心地よさが感じられました。


iPhone4sを用いてONKYO「HF Player」のハイレゾ再生(カメラコネクタ接続)
次に、Yesの『Roundabout』(96kHz/24bit)で比較しても、PHA-2は良い意味でまとまったバランスの良い音、DA-10は各パートのメリハリが効いており、迫力がある音として違いを聴き取ることができました。この辺は曲の種類や音の好みによっても意見が分かれるのかもしれません。さらに、DSD音源のOla Gjeilo(オラ イェイロ)「NORTH COUNTRYU」(2.8MHz DSD)では、DA-10の方が音に余裕があり、各楽器をしっかり鳴らしてくれるという安心感と共に、ハイレゾらしい空気感と艶やかな音を体感できました。特に、3分以降からの盛り上がりの部分では、フリューゲル・ホルンとチェロの音色や輪郭がよりはっきりと聴き取られ、全体としての立体感を感じることができました。

正直、PHA-2も素晴らしい製品なので、同じような位置付けにあるこの2台で違いを聴き取ることは難しいと予想していたのですが、この3曲を繰り返し比較試聴しただけでもわずかながらその違いを認識することができ、DA-10のクオリティの高さに驚かされました。

細かい点ですが、iPhone4sを今回のように接続した場合、PHA-2では上の写真のようなエラーメッセージが出た上に、うまく認識しないことが多かったのですが、DA-10ではこのようなメッセージは出ず、私が使った期間では100%認識してくれました。些細なことですが、持ち出して使う場合にはうまく認識しないと大きなストレスになりますので、好印象を持ちました。


DA-10とケースを組み合わせたところ(写真左)
ちなみに、PHA-2では、Van Nuyzの専用ケースを購入して使用しています。それだけでも5,000円以上したことを考えると、DA-10付属のキャリングケースと各種ケーブルはかなり良心的です。しかも、ケースは機能的でそのまま画面操作もでき、ケーブルもしっかり保護されるため、画期的であると感じました。ただ、あの形だとカバンに入れて使うことになりそうなので、欲を言えば、肩掛けストラップ等が付けられるようにして、デザインもそれに耐えうるものにすれば完璧だと思いました。

AUX接続、スピーカー出力でも力を発揮

次に、AUX接続での試聴です。このパターンでは、先ほどの音源に、クラシック「Robert Schumann:Symphonien1-4」(ベルリンフィル・192kHz/24bit)、ジャズ「Cheek To Cheek」(Tony Bennett/Lady Gaga・192kHz/24bit)も加えて各ジャンルの音楽を聴いてみました。もともと、Carot One「Fabriziolo LIMITATA」の音自体がくっきりとした輪郭を持っており、かつ、真空管ならではの柔らかさを感じていましたが、DA-10を通してもその傾向を保ちつつ、上記のDA-10らしさ(駆動力と音の立体感)をジャンルを問わず感じることができました。


プレーヤー:SOTM「sMS-100」、NAS:QNAP「HS-210」、DAC:TEAC「UD-501」→Carot One「Fabriziolo LIMITATA」、ヘッドホンアンプ:DA-10の構成で試聴
スピーカーからの音も聴いてみました。音源はDonald Fagenの「I.G.Y.」(96kHz/24bit)。こちらはSOTM「sMS-100」とTEAC「UD-501」で聴く音と比べるとややおとなしい感じがしましたが、組み合わせやケーブルの違いもあるので一概には言えません。ただ、このシンプルな組み合わせでも、スピーカーで聴くのに十分であり、ハイレゾならではの透き通った音色を感じることができました。


プレーヤー:iPhone4s(HF Player)、DAC:DA-10、アンプ:TEAC「AX-501」、スピーカー:PIEGA「TS3」の構成
モバイルユースで最大の威力を発揮

DA-10をいろいろな組み合わせで試してみましたが、日常の使い方で最も音の変化を感じ、なおかつ活用頻度が高いと感じたのは、iPodとのUSB接続です。現状ではPHA-2をこの組み合わせにしてUE900sで聴くことが多いのですが、UE900sをiPodに直接接続した時とPHA-2を通して聴いた場合とでは、音に余裕が出ますが、音色についてはそれほど大きな変化は感じませんでした(これも好みだとは思いますが)。その点、DA-10では、音が艶やかになるような音質の変化やドラムやベースの躍動感を強く感じることができました。


iPod classicにDA-10をデジタル接続し、UE900sで聴くという最も使用頻度の高い組み合わせ
私はCD音源をiPodにAppleロスレスで取り込んで聴いていますが、iPodにイヤホンを直に入れた場合とDA-10を介した場合で比較するとその違いは歴然です。ビル・エヴァンスの名盤『Waltz for Debby』の中から「Milestones」という曲を聴いてみると、ベースを指で弾く感じや後半にかけての迫ってくるようなドラムの疾走感など、耳を澄ますと全く別のテイクを聴いているようでした。


3.5畳のオーディオルーム? は、sMS-100とHS-210を用いたネットワークオーディオに進化
また、ビートのきいた曲ということでChemical Brothersの「Block Rockin’ Beats」を聴くと、ドラムやベースの音の輪郭や押し出し、分離などが別物であり、迫力の違いが明らかでした。当然の結果ということにはなりますが、予想を大きく上回っていたというのが結論です。他のレビューにもあるように、BA型のイヤホンとの相性は良いと感じました。

以上、2週間という期間で十分な試聴とは言えませんが、DA-10はコストパフォーマンスの極めて高い、優れた製品であると感じました。

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