HOME > レビュー > フィリップスのオンイヤー型ヘッドホン“Fidelio”「M1MKII」を中林直樹が聴く − 定番モデルがグレードアップ

ボイスコイルを軽量化してレスポンスを向上

フィリップスのオンイヤー型ヘッドホン“Fidelio”「M1MKII」を中林直樹が聴く − 定番モデルがグレードアップ

公開日 2014/11/21 10:30 中林直樹
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
ハイレゾ対応ポータブルプレーヤーに本機を接続し、頭に装着してみる。M1と同様、側圧が程よく、しかもスペックでは166gとあるがそれよりも軽く感じた。かといって、作りがプアではない。また、M1と同様、厚みのあるイヤパッドがぴたりと耳にフィットする。オンイヤーだが、パッドが隙間なく耳を塞いでくれるから、遮音性はかなり高い。それもあって、ひとたび音楽を再生すれば、音楽の世界にすぐさま浸ることができる。屋外でのリスニングにも十分対応してくれるだろう。

「M1MKIIBO」は、ステッチやイヤーパッド中央部などにオレンジのアクセントを施す

「M1MKIIBK」

声の抑揚を丁寧に描き、楽器の音の芯から余韻までをしっかりと再現

さて「童神」を再生すると、いきなりイントロの時点で既に本機の特徴を掴むことができた。それはピアノやパーカッション、縦笛の立ち上がりの速さだ。そこにチェロが深みや厚みを湛えながら、ゆったりと絡んでくる。そのおかげだろうか、音場が立体的、かつ広く感じられる。やがて上間のボーカルが入ってくるのだが、彼女の声の輪郭がきりりとして、鮮度が高い。しっかりと音場の真ん中に定位を確保しているが、そこから余韻がふわりと耳の周囲に漂う。声に包まれているようなイメージだ。沖縄民謡独自のコブシや、声の抑揚も丁寧に描き切る。ボーカルのほんの少しの揺れも感じることができ、リアリティが高い。その響きが人間的とも言えるし、前述のように声に包囲される感覚も味わえるがゆえ、どこか上間本人の母性のようなものさえ想起させる。

伊藤ゴローとジャキス・モレレンバウムが共演したスタジオ録音版『ランデヴー・イン・トーキョー』もハイレゾで登場した。

伊藤ゴロー、ジャキス・モレレンバウム『ランデヴー・イン・トーキョー』(e-onkyo music・192kHz/24bit)

伊藤はボサノヴァに精通したギタリスト、作曲家であり、原田知世などのポップスを手がけるプロデューサー、ジャキスはブラジルのチェリストでアントニオ・カルロス・ジョビンやカエターノ・ヴェローゾ、坂本龍一などとの共演でも知られるマエストロである。その2人がジョビンの楽曲やそれぞれのオリジナル曲に、東京のスタジオで挑んだ本作をM1MKIIで聴いてみた。

次ページアナログ盤を聴いてM1MKIIの実力を試す

前へ 1 2 3 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック: