ボイスコイルを軽量化してレスポンスを向上

フィリップスのオンイヤー型ヘッドホン“Fidelio”「M1MKII」を中林直樹が聴く − 定番モデルがグレードアップ

中林直樹

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2014年11月21日
フィリップスのハイエンドライン“Fidelio”コンパクトなオンイヤー密閉型ヘッドホン「M1」が「M1MKII」へとバージョンアップ。もはや定番といえるモデルのサウンドがどこまで進化したのか、中林直樹氏がレビューする。

“Fidelio”「M1MKII」は2色を用意。“BO”(左)はブラックにオレンジのアクセントが施している。“BK”はブラックにガンメタリックのパーツを配置する。

ドライバーのボイスコイル軽量化により再生周波数帯域を拡大

Fidelioシリーズの小型密閉オンイヤータイプ「M1」がバージョンアップして「M1MKII」となった。改良点はドライバーユニット内のボイスコイルを軽量化しレスポンスを向上させたことである。これにより再生可能帯域が広くなり、スペックを見ると、従来の15Hz〜24kHzに対し6Hz〜28kHzと、上下ともに伸びている。その他の仕様には変わりがないようだ。これまでM1は何度か試聴したが、コンパクトながら見晴らしが良く、丁寧な表現を得意とするヘッドホンとして印象深い製品だった。それがブラッシュアップされたのだから期待は募る。そこでM1MKIIでハイレゾからアナログまで、様々なソースを聴いてみることにした。

ドライバー部は新たにボイスコイルの軽量化が図られた

さて、こうした改善が常に行われ、次々と新製品が誕生していることはヘッドホンシーンの盛り上がりを如実に表している。別の言い方をするなら、ブランド同士の競争が激化していることに他ならない。音楽を聴くためのツール、いわば感性で楽しむオーディオ製品に、競争を生き抜くための新たなテクノロジーが次々投入されている。その結果、僕たちはリアルタイムに近いかたちで「新しい音」に触れることができるのだ。

イヤーカップは90度回転する

ヘッドバンド部やヒンジ部の質感も高い


イヤーパッドには低反発フォーム素材を採用

マイクリモコン付きケーブルを同梱する

思うに、フィリップスがこうした進化をスピーディに成し遂げられるのは、グローバルブランドとして世界中に多くのファンを持っているからだろう。そこから現在進行形の音楽の傾向や人びとのニーズを察知し吸い上げ、製品に反映させてゆくのだ。また、製品開発の段階で、聴覚とエンジニアリングに長けたフィリップスの精鋭「Golden Ear」たちの活躍も大きな意義を持っているはずだ。

見た目以上に軽量で遮音性能も優れている

では、まずハイレゾ音源から聴いてみたい。沖縄の伝統音楽をベースに新たな感覚でポップスを紡ぐ上間綾乃の新譜『はじめての海』である。歌と三線を幼い頃からマスターし、伝統に敬意を払いながらフレッシュな感覚で沖縄音楽をアップデートしている。ここ収められた「童神(わらびがみ)」は2014年の第21回日本プロ音楽録音賞の優秀賞を受賞している。

上間綾乃『はじめての海』(e-onkyo music・88.2kHz/24bit)

エンジニアはミキサーズラボの三浦瑞生氏。上間の前作「ソランジュ」でも同賞を獲得しているから2年連続受賞という快挙だ。もちろん、良質なサウンドは、良質な音楽性があってこそ生まれ出るものである。音を聴くのではなく、音楽を聴くのだから。M1MKIIをハイレゾ対応ポータブルプレーヤーに接続し、本作を再生してみた。

M1MKIIで注目のハイレゾ音源を視聴する

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