【特別企画】ディスクスタビライザーとしての効果も徹底検証

注目インシュレーター「Wind Bell WB-60」はアナログプレーヤーにどう効くのか?

林 正儀

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2014年07月14日

■試聴 − 「リジッド派こそ迷うことなく使うべき製品」


なぜそんなに重いのかを含め、実際の試聴レポートの前に林流・ガラード401を紹介しよう。ヴィンテージというより、学生時代に新品購入(当時3.8万円)して以来、何度かヤドカリのように箱をとっかえひっかえして、ようやくついのすみかとして完成したのが現在の状態である。幅60×奥行45×厚さ14センチというかなりの大型だ。

改良を加えながら林氏が長年に渡って愛用しているガラード401。20キロの真鍮を埋め込むなどしているためかなりの重量になっている

無垢の桜を箱根細工の職人に精密加工してもらい、メカを納めたもの。ダイナベクターDV505のアームベースとして20キロの真鍮を埋め込んでいる。床にぶ厚い黒御影を敷いて。その上にGTラック、そして401という構成だ。一時はエアバネ式のボードをつかっていたこともあったが、現在は外したままの状態だ。リジッドな401にフロート型がマッチするという懸念と、空気を補充する煩わしさからである。

まずは401に敷いてみた。さすがに外径φ60mmのWB-60は支えが安定する。重心が下がり、コンディションがビシリと整うのだ。試しにレコード盤に針をのせた状態でラックをノックしても、ボンつくことは皆無で静かなもの。何というS/N感だろう。ハウリングマージンの余裕にも舌を巻く。デフォルトとは大違いだ。

プレーヤー下の四隅にWB-60を設置

音の違いはそれ以上の興奮と言おう。さては、カートリッジの性能が上がったか!トレースが静かになっている。帯域がぐんと伸長され、ボトム方向がどこまでもノビてゆく。一聴してローレベルの切れこみと、ピークでのダイナミックレンジのゆとりを実感させるのだ。

試しにラックをノックしてみたが、その振動をしっかり吸収するためボンつくことは皆無

クラシックではピアノと室内楽をまず聞いたが、鮮度とみずみずしさが違う。タッチや弓使いまで生音の空気が漂い、気配や体温感まで伝わるようだ。

声楽系ではシュワルツコップのドイツリート。その録音の古さを感じさせない浸透するようなすがすがしさと、感情移入も見事だ。風鈴効果で声にも深みやツヤが感じられる。

耳タコ盤といえるベームの「レクイエム」も、ここまで微細な音楽情報があったのかと耳を疑った。シルクの光沢を放つ弦とコーラスがみごとで、立ちのぼるように音場の広がりがアップ。天国のようなハーモニーとはこれだろう。

バーンスタインの「復活」は起伏の大きな、すばらしくダイナミックな表現だ。弦、管、打どのセクションも澄みきった音色で、建造物のような彫りの深さが印象的だ。壮大さやスケール感が倍増といって大げさでない立体的なステージは、これまでの401では聞いたことがなかった。

キングの最新盤では、デジタルリマスタリングのムラヴィンスキー/レニングラードフィルや、カラヤン/ベルリンフィル・ライブ・イン東京1977など、次々に針を落としていった……。アナログらしい鮮烈で肉厚なサウンドに時間さえ忘れてしまうようだ。

つい入れこんでしまったが、ジャズもロックもいい。70〜80年代のポップスも最高だ。ブルーノートの名盤から、優秀録音のTBM(山本剛の「ミスティ」がご機嫌!)。そして寺島レコード新譜など、夜が更けるまで聴き続けたものだ。音溝に刻まれた音楽の生命や躍動が、最高のコンディションで彫りおこされる印象である。

ドラムのふんばりやベースの躍動、ボディ感たっぷりなピアノなど生命力に溢れたサウンドに包まれ、オーディオ的な……。いや音楽の快感に浸っていた。フローティングだからという妙な思い込みもまったくの杞憂。サージング防止などのノウハウがすごいのであろう。リジッド派こそ、迷わず「ウィンドベル」を使うべきだ。

アナログプレーヤーに対するウィンドベルの効果は絶大。もしマイクロやヤマハなどのヴィンテージプレーヤーを所有しているのなら、かつての銘機がウィンドベルによってもう一段高いレベルで活躍してくれるようになることだろう。「昔に買ったものが埃をかぶっている……」なんて場合、そのプレーヤーをウィンドベルが甦らせてくれる。

ディスクスタビライザーとしても大きな効果を発揮

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