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マルチchのBD再生、ネットワーク2ch再生などを検証

最新機能を網羅、デノンの最新AVアンプ「AVR-X2100W」を野村ケンジがレビュー

2014/06/18 野村ケンジ
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デノンの最新AVアンプ「AVR-X2100W」は、4K/60p入出力やDSD再生などの最新トピックに対応しつつ、音質、使い勝手をさらに高めたモデルだ。本機の実力を野村ケンジが検証。その音質を中心にレポートしていく。

DENON「AVR-X2100W」

■スタンダードモデルながら最新機能を網羅したAVアンプ

デノンのAVアンプは昨年大幅にリニューアルされ、新たに「AVR-X」シリーズとして「AVR-4000」「AVR-X2000」「AVR-X1000」の3モデルがラインナップされた(ハイエンドモデルの「AVR-4520」のみは一昨年のモデルが継続)。今回登場したAVR-X2100W、AVR-X1100Wの2モデルは型番からわかる通り、昨年のAVR-X2000、AVR-X1000のそれぞれ後継モデルということになる。この「AVR-X」シリーズ第二世代の2モデルのうち、本記事では上位にあたる「AVR-X2100W」にフォーカスを当てていきたい。

デノンはAVR-X2100Wを「スタンダードモデル」と称しているが、定価81,000円の本機は、アッパーエントリーもしくはミドルクラスと言ってもよい価格帯に位置する。だが本機は、このクラスを超える、充実した機能性を備えている。まず注目機能として、4K(4K/60p、4:4:4、24bit Pure Color)アップスケーリング&パススルーに対応。今後普及すると思われる4K世代の製品に、先んじて対応することとなった。

もちろん、音質面も従来機からさらに追求している。デノンならではの、信号経路を極力短くするレイアウト設計、そして内外の不要振動を排除する「ミニマムシグナルパス&ダイレクトメカニカルコンストラクション」思想はそのままに、デジタルオーディオ回路のオペアンプや音質の要となるDACを一新。ハイパフォーマンスなオーディオ用コンデンサーを採用するなど、細部に至るまで徹底的なブラッシュアップが施されている。

容量10,000uFのカスタム品コンデンサーを採用

音質対策が図られた、オーディオ専用オペアンプを新たに搭載

■2.8MHz DSD再生に対応するなど、さらに強化されたネットワーク機能

そして、やはり注目すべきはネットワーク再生機能だろう。DLNA1.5とAirPlayに対応し、NASやPC、スマートフォン内の音楽ファイルをネットワーク経由で簡単に再生できるようになっている。さらにうれしいのが、Wi-FiとBluetoothというふたつのワイヤレス機能を内蔵したことだ。これによって、スマートフォンやタブレットからの音楽再生が非常に手軽になっている。

背面部に2本のアンテナを搭載

しかもDLNAによるネットワーク再生については、192kHz/24bitのリニアPCM(WAVやFLAC、そして新たにAIFF形式にも対応)に加え、2.8MHzまでのDSDファイルも再生できるようになった。リニアPCM変換ながら、この価格帯のAVアンプでDSDファイルが再生できるとは、何ともいい時代になったものだ。もちろん、フロントUSBにiPhoneなどをワイヤード接続すれば、デジタル伝送の高品位なサウンドを楽しむこともできる。マルチメディアセンターとしては、これ以上ないといえるほどの充実した内容となっている。

■初心者でも手軽に使えるユーザビリティーをさらに強化

一方で、ユーザビリティーに関してもかなりの追求がなされているのが「AVR-X」シリーズならではの特徴だ。OSDメニューは、日本語対応に加えてビジュアル的にも見やすくなった。自動音場調整に関しては「Audyssey MultEQ XT」を採用するとともに、新たに紙製のマイクスタンドを付属。AVアンプを初めて使うという人でも、精度の高い計測が行えるよう配慮されている。

GUIのグラフィックもさらに洗練。セットアップ機能も充実する

地味な点であるが、音場補正マイクスタンドはとても便利

このほか、パネル部分を色分けして識別がしやすくなったスピーカーターミナルや、接続から初期設定まで分かりやすくガイドする「セットアップアシスタント」機能など、AVアンプビギナーや女性ユーザーも安心できる、きめ細やかな配慮がなされている。ちなみにHDMI端子に関しては、入力が8、出力が2と、ひと昔前の上級クラスをも凌駕する端子数を用意。これだけあれば、不満に思う人はまずいないだろう。

カラーリングされた横一列配置のスピーカーターミナルを採用

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