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<山本敦のAV進化論>第11回

【インタビュー】radiko、エリアフリーの次は「音質向上」「オンデマンド聴取」を検討中

公開日 2014/06/04 10:00 山本 敦
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さらにもうひとつ、青木氏が重要な機能として捉えているものが「オンデマンド聴取」だ。radikoでラジオ番組を好きな時に聴けるようになったり、あるいは昔聴いていた懐かしいラジオ番組のアーカイブが聴けるようになれば、アダルト層にとって嬉しいサービスになりそうだ。radikoがテーマとして掲げる「ラジオ文化の維持・拡大」のためにも大きくプラスに働くはずだ。

現在の「番組予約」は放送をリアルタイムで聞き逃さないようにするためのもの。録音はできないため、もしオンデマンドが実現すればこうした面でも非常に便利になるだろう

この点について青木氏は次のように説明を加える。「radikoがイメージするサービスを、関係する権利者の方々にきちんとご説明をしていくことも大事と考えています。radikoが架け橋として機能しながら、権利者各位の賛同をいただくかたちで、これからのラジオ文化の発展に貢献して行けるような仕組みをつくりたいと考えています」(青木氏)

青木氏は「ラジオ文化」の魅力をどのように捉えているのだろうか。

「ラジオにはラジオにしかない良さがあると、私だけでなくラジオに関わる多くの方々が同じように考えているはずです。それは即ち、パーソナリティの人間味や皮膚感のようなものではないでしょうか」(青木氏)

インタビューの様子

なお、昨今台頭してきた音楽配信サービスに対しては「競合するのでなく共存すべき」というのが青木氏のスタンスだ。

「最近ではスマホにイヤホンをつないで音楽を聴くというスタイルが一般的になりました。これはradiko.jpにとって非常に重要な出来事です。例えば車で出かける時には、行きはカーオーディオで好きな音楽を聴いて、帰り道にはラジオを聴くという楽しみ方ができますが、同じようにスマホとイヤホンがあれば、同じ機器をそのまま使って音楽とラジオが聴けるというスタイルが普及したということが大事なのです。他の様々なエンターテインメントやサービスがあって、はじめはその中のわずかな時間でもラジオを聴くことに充ててくれればいい。それがとても簡単にできるようになったということを歓迎したいと思います」(青木氏)

音楽配信サービスでは、あくまで音楽を聴くことが中心になるが、ラジオでは音楽以外にも、パーソナリティーのトークであったり、ニュースやスポーツなど、“人の存在”をより身近に感じられることがコンテンツとしての大きな魅力だ。「これからの時代は、そんな“人間味”が見直される時代になるのではないか」と青木氏は言う。その人間味を最も強く感じられるエンターテインメントの一つがラジオであるという認識を、スマホとアプリ、インターネットのインフラを通じて広げることができれば、radikoの果たす役割は大きいのではないだろうか。

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