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【特別企画】連続レビュー第1弾

ソニーの万能コンポ「MAP-S1」レビュー(前編)ハイレゾウォークマン買ったら次はコレ!

2014/06/02 高橋敦
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スペックだけではない。真にハイレゾ対応な音質を実現

ふつう「ハイレゾ対応」とは「ハイレゾ仕様の音楽ファイルを再生できる」ことを指す。

だがしかし! それだけでは意味がない。ハイレゾならではの情報量を引き出せるようなオーディオ的な実力がなくては、実際のところ、CDとの違いはよくわからない。

もちろんMAP-S1は、ハイレゾをハイレゾとして鳴らせるだけの実力を備えている。その実力を構成している要素は例えば以下のようなものだ。

音声信号を増幅してスピーカーを駆動するアンプ回路には、ソニーが着々と進化させてきたデジタルアンプ技術の最新版「S-master HX」を採用。ハイレゾ再生で広がった帯域におけるノイズ除去性能を改善したことが「HX」の特長だ。

ソニー独自のアンプ「S-master HX」は中央のチップで処理される

大型のコンデンサーなど、高級パーツをふんだんに搭載した

アナログあるいはフィジカルな部分の作り込みも万全。不要な共振等を抑える高剛性シャーシ、同じく頑強なガラスエポキシ基板、回路の基準電位を整えるワンポイントグラウンドストラクチャー。高級オーディオに用いられるような高音質化手法の数々も投入されている。

細かなところでは、例えばコンデンサーというパーツは、信号経路、電源経路、その他で、異なる型のものが使い分けられている。音質への影響が特に大きい信号経路にはサイズが大きく価格も高いパーツを、影響がさほど大きくない箇所には小さくて価格を抑えられるパーツを、といった具合だ。適切な取捨選択によって真にハイレゾ対応と言える音質と無理のない価格やサイズを両立させる、クレバーな設計と言える。

そして、相棒たるスピーカー「SS-HW1」も、真のハイレゾ対応と言うに値する内容だ。

MAP-S1にベストマッチなスピーカー「SS-HW1」

ハイレゾの特長のひとつである超高域の再現性を確保するためにスーパートゥイーターを搭載するというのは、まあそれだけなら安直とも言える手法。しかしSS-HW1はスーパートゥイーターを左右に各2基ずつ搭載し、そのうち1基はスピーカーの上面に上向きで設置されている。…ん、何コレ?

これにはもちろん意味がある。上向きのスーパートゥイーターはソニー曰く「WD(Wide Dispersion)スーパートゥイーター」だ。超高域を上面にも放射することで、リスナーが適正な音場空間を体感できるスイートスポットを拡大する。

スピーカーシステム「SS-HW1」¥OPEN(予想実売価格6万円前後)

上に向いているトゥイーターにも、もちろん意味があるのだ!

中低音再生を担当するウーファーは「MRC振動板」が特長。MRC=発泡マイカは軽量高剛性に加えて低密度であるために適度な内部損失も備える。そのほか、ウーファーが生み出す空気の揺れがトゥイーターやネットワーク回路に影響を及ぼさないように内部を仕切った「セパレーテッドチャンバー方式」等、キャビネット(筐体)の構造や素材も吟味されている。

それらの要素によって達成されている実際の音質については後ほどたっぷり紹介するとして、その前に、MAP-S1の魅力はハイレゾ再生だけじゃないよ、というところも紹介しておこう。

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