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<山本敦のAV進化論>第5回

進化するBluetoothスピーカー、注目4モデルの音質・機能を検証する

公開日 2014/04/23 14:03 山本 敦
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圧縮ファイルの再生時には豊かな低音とクリアな中高域、立体的な音場感を実現する「SRS WOW HD」の技術に対応。63.5mmのカスタム設計のスピーカーユニット、63.5mmのパッシブサブウーファーを内蔵しており、アンプの総合出力も20Wとハイパワーだ。

本体には4,400mAhの大容量バッテリーを内蔵しているが、USB経由で接続したスマートフォンやポータブルオーディオプレーヤーを充電することもできる。音楽リスニング時にスマートフォンのバッテリー消費を気にせずに楽しめるのが心強い。本体のバッテリー残量は側面に設けられたイルミネーションの点灯で確認できる。

側面のUSB端子経由でスマホの充電もできる

2台揃えてバッテリーボタンを長押しすると「TWS」のペアリングモードに入る

本機も「TrueWireless Stereo」によるステレオ再生に対応しており、2台揃えればより臨場感豊かなステレオ再生が楽しめる。設定はとても簡単で、本体側面のバッテリーボタンを同時に長押しすれば、スピーカーどうしのペアリングが自動で行われる。あとはマスター側のスピーカーとスマートフォンをBluetoothでペアリングするだけで再生環境のセットアップは完了だ。再生時のボリューム操作は2台のスピーカーが連動している。

2台によるステレオ再生にも対応した

歪みのないナチュラルなバランスのサウンドだ。本体の重厚で堅牢なつくりとあいまって、低域の重心が低く、ドラムスなどリズムセクションの音色もどっしりとしていて安定感が高い。高域の音色もエッジが上品に整っている。SNが高く、ノイズフロアも非常に低く抑えられている。2台揃えれば、かなり本格的なスマートフォン・オーディオの再生環境が整えられるだろう。

なお今回ハンドリングした「850」の他に、IPX3準拠の防滴仕様とした兄弟機「855s」もラインナップに名を連ねている。ハウジングには耐衝撃性能の高いシリコン樹脂を用いているので、アウトドアレジャーにもハイクオリティなワイヤレスサウンドを求めたい方にはこちらのモデルがおすすめだ。


■「進化するデバイス」であるBluetoothスピーカー

Bluetoothによる音楽再生の価値は、これまではケーブルレスやロケーションフリーの利便性が注目されてきたが、音質向上やアプリのサービスなど機能面の進化も重要だ。今回の製品をハンドリングしながらそのことが強く実感された。

特にソフトウェアの使いこなしの部分では、スマートフォンとアプリがBluetoothまわりの技術進化を刺激している部分も大きいようだ。基幹ソフトウェアのアップデートにより新機能を追加していくというサービスは、PCやゲーム機スマートフォンなどIT機器で先行してきたもので、既に馴染み深くなりつつあるが、これがポータブルのワイヤレススピーカーにも広がっている。

今回テストしたJAWBONEのMINI JAMBOXや、UEのBOOMがスマートフォン向けアプリをブリッジに提供するアップデートサービスは、スピーカーに新機能が追加され、使い勝手が良くなるという明確な手応えが味わえた。従来は音楽を聴くという単機能を競って個性を主張していたスピーカーは、ネットワーク経由で様々な機能を取り込んでいく、いわば「進化するデバイス」となっているのである。

(山本 敦)

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