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ユニバーサルイヤホンを越えるフィット感と音質

カスタムIEM製作体験レポート − 注目ブランド1964EARSの「1964-Q」を作る!

2014/01/24 季刊NetAudio編集部 浅田陽介
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■高級イヤホンが「普通」となりつつ時代だからこそ、カスタムIEMを作る

いま、巷には本当にたくさんのヘッドホン/イヤホンがある。特にイヤホンの世界は進化のスピードが速い。少し前までは、イヤホンに数万円もかけようものなら、一部の理解の深い友人からは賞賛を得られたものの、家族や友人からは「こいつ、大丈夫か!?」という視線が注がれたものだった。

しかし、である。いまや街中を歩けば数万円台のイヤホン、ヘッドホンをしている人は多く目にするようになった。もはや高級ヘッドホン、イヤホンをすることは何も特別なことではなくなったのである。

最近の高級イヤホンは7万円や約10万円、時には10万円を超えるモデルも登場している。実はいま、それらと同じくらいの金額を払えば、自分だけのカスタムIEMが手に入る

とはいえ、それはそれで筆者のようなタイプの人種には物足りない。どうやら「この人、こんなすごいの使っているの!?」というふうに見られることがひとつの快感でもあったことに気ついたのだ。だからこそ今回、カスタムイヤーモニター(カスタムIEM)を作ろうと思ったのである。

■カスタムIEMって何?

そもそも「カスタムIEMって何?」という方も多いと思うので、簡単に解説したい。恐らく、この年末年始にレコード大賞や紅白歌合戦などの番組を見て過ごした方も多いことと思うが、その際にアーティストが耳にはめていたものがカスタムIEMだ。


カスタムIEMは、アーティストがステージ上で自分のプレイバックを聴くためのモニターとして使用するもの。いま人気のヘッドホン/イヤホン・ブランドの多くは、こうしたプロの用途から発展したものである
かつて、ステージ上では自分の演奏がきちんと聴こえるように、自分が演奏している音を確認するためのモニタースピーカーをミュージシャン側へ向けてセッティングしていた。しかし、モニタースピーカーでは音量を相当上げなければ正確なプレイバック音を聴きとることができず、耳への影響も懸念されていた。そこで、より適正な音量で正確なプレイバック音を実現することを目指して開発されたのがカスタムIEMなのである。

カスタムIEMは、個人によって異なる耳に完全にフィットするよう耳型から作成し、耳への負担を最小限にした「モニタースピーカー」として活用されている“音のプロのためのイヤホン”なのだ。

実はShureやUltimate Ears、Westoneなどの人気イヤホン・ブランドは、このカスタムIEMの開発から派生したブランドだ。つまり、カスタムIEMは現在のイヤホンにおける“原点”といっても過言ではない。

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