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7年ぶりに登場した“Soavo”シリーズ

【レビュー】ヤマハ「ハイレゾ時代」のマルチchスピーカー新“Soavo”に大橋伸太郎が迫る

2013/11/22 大橋伸太郎
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■スピーカーシステムの構成は引き継ぎつつ、「New A-PMD」に進化したユニットで音質に大きな変化

新“Soavo”はフロアスタンディング型「NS-F901」、ブックシェルフ型「NS-B901」、センタースピーカー「NS-C901」、サブウーファー「NS-SW901」で構成される。エンクロージャーの形式や使用ユニットはシリーズを通じてほぼ共通であり、製品のコンセプトとスピーカーシステムとしての構成は、2006年のSoavo-1からあまり変わっていない。ラインナップの中心を成すFS-901を見ても、3ウェイ4スピーカーの構成やエンクロージャーの設計はそっくり受け継がれている。

フロアスタンディング型「NS-F901

ブックシェルフ型「NS-B901」


センタースピーカー「NS-C901」

サブウーファー「NS-SW901」

それではどこが変わったのか。かつてのSoavo-1は、リジッドかつ強固な設計でエンクロージャーの共振を排し清澄な音質で内外の高い評価を得たが、一方で不満がないわけではなかった。端正な音調と裏腹に音離れがやや悪く、音が篭る傾向があったのである。低音のキレも物足りなかった。

今回の新“Soavo”、特にNS-F901はそれを徹底して改善している。具体的には中低域ユニットを新開発した。Soavo-1は合成樹脂PMP(ポリメチルペンテン)をベース樹脂にのみ使ったが、今回は100% PMPである。素材に混入するマイカ(雲母)もより均質化した。また、フィラーを酸化チタンに変更した結果、コーンの厚みを変えず軽量化に成功。エッジを発泡ゴムからクルトミュラー製ソリッドゴムに変更し、軽量コーンを重くしっかりしたエッジが支える。トゥイーターはメタルコーンで変更がないが、磁気回路がフェライト外磁からネオジウム内磁回路に変わった。

“Soavo-1”(左)と、新”Soavo“(右)。筐体デザインはそっくり受け継がれている


「New A-PMD」採用のコーンに刷新
特徴的な三方留めエンクロージャーも基本的に変化がないが、外装色はピアノ(グロス)ブラック一色に変わった。Soavo-1の脚はアルミダイキャストだったが、NS-F901はMDFのベースプレートを新たに採用。これでエンクロージャーの重量が4kg増した。なお、この変更でNS-F901には滑り止めのスパイクが同梱される。

次ページ新“Soavo”の実力を検証 − まずは2ch再生から

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