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上位機「PMA-2000RE」での技術革新を惜しみなく投入

【レビュー】デノンの新プリメイン「PMA-1500RE」はどう進化した?

公開日 2013/08/26 11:16 大橋伸太郎
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デノンのHi-Fiコンポーネントの普及価格帯の中核と言える“1500”シリーズがついに「RE」に発展、プリメインアンプ「PMA-1500SE」とCDプレーヤー「DCD-1500SE」がそれぞれ9月中旬より発売される(関連ニュース)。国内市場で圧倒的な出荷台数を誇る定番モデルの、3年強を要してのモデルチェンジとなる。

「PMA-1500RE」 ¥126,000

昨年までに上位機種の「PMA-2000RE」や下位機種「PMA-390RE」が先行して「RE」に進化する中、今年の春くらいからネット上で「そろそろ“1500RE”が登場するはず」という期待の書き込みが増えていたという。


発表会においても、PMA-1500REは同価格帯のプリメインアンプで圧倒的なシェアを誇る中核モデルとして注目を集めていた
興味深いのは、フォルクスワーゲン“ゴルフ”やトヨタ“カローラ”の毎世代を飽きずに乗り続けるユーザーがいるように、DCD-1650REやPMA-2000REへのグレードアップを潔しとせず、「1500RE」をじっと待つユーザーが多くいるという事実である。筆者はここに、日本のオーディオ市場の健全さを見る思いがする。また、こうしたホンモノの定番を持っているメーカーは強い。

前回お伝えしたSACDプレーヤーのDCD-1500RE(関連記事)に続き、今回はプリメインアンプPMA-1500REをレビューする。気になるその進化について詳解していこう。

■PMA-2000REで実現した技術を惜しみなく導入

PMA-1500REの全貌を知るに、堅守すべきところは堅守しながらさらなる改良の手を加えたという印象を受ける。その指標となったのが、先行してリニューアルされたPMA-2000REだった。PMA-1500REは、PMA-2000REの開発経験が色濃く盛り込まれたアンプと言っていい。

好例がパワー部のUHC-MOSシングルプッシュプル出力回路である。マルチパラレルプッシュプル方式に対し、シングルプッシュプル方式は大出力を得ることが難しいとされてきた。反面、マルチパラレルプッシュプル方式は素子の個々のばらつきが無視できず、音質をチューニングしづらいという欠点があった。

PMA-1500REの筐体内部。上位モデルのPMA-2000REで培われた技術が惜しみなく投入されている

デノンが1993年の「POA-S1」で初搭載したのがUHC-MOS素子だ。MOS-FETの音質は高く評価されているが、大電流を取り出しにくい欠点がある。それを改良したのがUHC-MOSである。UHC-MOSによってシングルプッシュプル方式とMOS-FETの両方の長所を兼ね備えた出力段が完成された経緯はご存知の通りだ。

今回のPMA-1500REはUHC-MOSを堅守しつつ原点に戻り、構成の見直しも行った。狙いは最終段の“余裕度”の向上だ。そのために、新たにAdvanced UHC-MOSシングルプッシュプル出力回路を搭載した。具体的には素子を変更を行ったのだが、PMA-1500SEに搭載した素子がPD(ドレイン損失)が150WタイプだったのをPMA-1500REでは250Wタイプとした。これにより、素子そのものが許容できるパワーを大幅に拡大したのである。

パワーアンプ回路への電流供給の要であるブロックコンデンサーも新開発。新たなUHC-MOSのパフォーマンスを十分に引き出せるように試聴を重ねて改良が重ねられた

大型ヒートシンクなど、価格帯を超える音質パーツが吟味された上で多数搭載されている

■電流供給能力を高めてアンプの“余裕度”を増した

一方、パワーアンプの入力段に、新たにペア特性の揃ったデュアルFETを採用した。PMA-1500SEは独立タイプで特性の揃った選別トランジスターを差動で使っていたが、デュアルタイプの方がより統一が取れ、温度変化の影響が少なく安定した動作に貢献する。これはS/Nにてきめんに現れてくる。

併せ技として、差動増幅回路の初段にカスコードストラップ回路を併用し電流供給能力を高め、高速高帯域信号最盛時にも位相のずれのない増幅を実現した。入力段を強化することで、先に挙げたAdvanced UHC-MOSで生み出される最終出力段の余裕度を生かしたアンプ環境を作り出したわけだ。

PMA-1500REの背面端子

低重心シャーシ、27型電動ボリューム、デジタル、アナログ独立のトランスを並列使用し磁束漏洩を相互キャンセルする着想も継承。機能面では、REC OUTセレクターを廃止して信号経路をシンプル化したのに加え、ソースダイレクト時にはREC OUTへの信号供給を停止する設計とした。外部パワーアンプとの接続やAVシステムとの連携を考慮しパワーアンプダイレクト入力端子とプリアウト端子を設けた。

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