【特別企画】パソコンの内蔵サウンドカード利用にうってつけの製品群に新モデル登場

192/24対応でよりオーディオファン向けに − サウンドカード「Sound Blaster ZxR」の魅力とは?

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岩井喬
2013年03月29日
■PCオーディオにサウンドカードを使用するメリットとは?

ネットオーディオの世界で着実に普及しているUSB-DACに対し、デスクトップPCの世界で安定した人気を誇るのがサウンドカードである。その中でも世界的に評価されているブランドがクリエイティブメディアの「Sound Blaster」シリーズだ。

Sound Blasterシリーズの最新作にして最上位機となる「Sound Blaster ZxR」が登場

この「Sound Blaster」シリーズはサウンドカードやUSBオーディオ機器を含め、すでに全世界で延べ4億人以上もの利用者がいるというモンスター級の製品である。シンガポールで1981年に創業したCreative Technology (日本法人はクリエイティブメディア)はPCサウンドのパイオニアとして、全世界で広く親しまれているメーカーであり、携帯音楽プレーヤー「ZEN」、ステレオスピーカー「GigaWorks」シリーズやイヤホン・ヘッドホン「Aurvana」シリーズなど、手頃な価格ながら高音質を楽しめる機器を数多く手がけている。

サウンドカードはおもにデスクトップPCのPCIカードスロットに挿入して用いるサウンドデバイスであり、ここ数年はより伝送スピードが高くなったPCI Expressタイプが多用されている。

サウンドボードは基盤形状であり、装着にはある程度PCに対する知識が必要である。しかしながらUSB-DACのように外部に接続するデバイスではないので、省スペースであることやUSBケーブルによる音質変化に影響されないこと、そして伝送スピードの点でサウンドカードのメリットもあり、USB-DACと比較すると外装や電源の整流段を省略できるため、プロセッサーやDSP、パーツ品質や機能部分に集中して投資ができ、同価格帯であればサウンドカードの方がパフォーマンス的に優位になるのではないか。特にこの「Sound Blaster」シリーズは圧倒的にパフォーマンスが高く、機能性も豊富なことから内蔵カードを利用できるデスクトップPCのユーザーやそうした環境を利用したい人には、うってつけの製品群といえるだろう。

PCに装着したところ

■192kHz/24bitやASIO対応の最上位「Sound Blaster ZxR」登場

今回取り上げるのは「Sound Blaster」の最新シリーズ、「Sound Blaster Z」シリーズトップエンド・サウンドボード「PCIe Sound Blaster ZxR」(関連ニュース)である。オーディオ性能を指向した前モデル「Sound Blaster X-Fi Titanium HD」からさらに音質・機能性を向上させながらも価格据え置き(直販価格¥19,800)としており、一際魅力が高まった。

Sound Blaster ZxRの端子部。メインカード(写真下)のフロントアナログ出力(RCA)が192kHz/24bitのアナログ出力に対応


ミドルレンジ「Sound Blaster Zx」(左)には最上位「ZxR」同様にステレオアレイマイクロフォン搭載Audio Control Module、ベーシックモデル「Sound Blaster Z」(右)には「Sound Blaster Beamformingマイクロフォン」が付属


「Zx」と「Z」の端子部
本機では本体ボードに加え、アナログ入力/光デジタル入出力を備えるサブ基盤、DBProドーターカードも備えられ、PCI Expressカードスロットを2つ使用する(ケース上のスロットは、2つ利用するが、DBProドーターカードはPCI Expressのスロットに実際に挿す構造ではなく、 固定のためにスロット利用、本体カードとは付属のケーブルで接続する。また、本機は本体カードをDBProドーターカードと接続して使用することが前提となっているので、 あくまで自己責任の範囲だが、 試してみたところ、サウンド再生だけに使うのであれば本体カードのみでも動作はするようだ)。

カード2枚構成としたおかげもあり、前モデルと比べ部品配置には余裕が生まれている。DACチップにはバーブラウン製ハイエンドチップ「PCM1794」を搭載。“ステレオダイレクトモード”を利用すれば192kHz/24bit再生も可能だ(メインライン出力のみ)。そして96kHz/24bitまでとなるがASIOでの再生にも対応しているため、Windowsミキサーをバイパスした高純度かつ低レイテンシーなサウンド再生を実現した。

コンデンサーはニチコン製“Fine Gold”を用いるほか、ブラケットやRCA入出力端子に金メッキを施し、カード上のシールドを高める銅製プレートやEMIシールドが装着される。こうした部品単位へのこだわりからS/N比も下位モデルの116dBから124dB(実測値)へ
大きく引き上げられている。さらにカード2枚構成としたことでブラケットにも余裕ができ、ヘッドホン&マイク端子がΦ3.5mmミニジャックからΦ6.3mmの標準ジャックへと変更された。加えて5.1ch用としてメインのライン出力はフロント用、ステレオミニジャックを2つ使用し、リアL,Rおよびセンター/サブウーファー用出力もメイン基盤ブラケットから取り出せる。

■オーディオマニアも楽しめる製品

ヘッドホン出力部も新設計となり、600Ωまで対応できるパワフルな駆動力を実現(ヘッドホンアンプにはTI製「TPA6120」を実装)。ハイインピーダンスモデルの多くは標準ジャック仕様のものが多いので、ヘッドホンユーザーにとっては嬉しい仕様変更といえるのではないか。

なお本機にはヘッドホン出力やマイク入力を装備するステレオマイクアレイ内蔵ボリュームコントロールポッドAudio Control Moduleも付属。手元でのヘッドホンボリューム調整(パッシブ動作)を可能とし、ケーブルの短いポータブル型ヘッドホン&インカムも手軽に使用できる。

Audio Control Moduleのほか、RCAケーブルと光デジタルケーブルも付属

さらに前モデルから引き続きメインライン出力用のオペアンプがソケット装着式となっているため、交換によるカスタマイズができるようになっている。むろんオペアンプ交換は保証対象外となるので自己責任のもと、細心の注意を払ってほしい。

カバーを開けたところ

PC側のCPU負荷を減らして動作の安定度と高音質化に効果のある独自のオーディオ&ボイスプロセッサーも大きな進化を遂げ、クワッドコアとなったSound Core3Dを2つのボードに装着。ゲームや映画鑑賞時に重要となる立体音場再生(SBX Pro Studio)やボイスコミュニケーション処理(CrystalVoice)にチップのハードウェア演算能力を活かしている。

SBX Pro StudioではSBX Surroundによるバーチャルサラウンド機能や、MP3ファイルなどで圧縮時に失われるダイナミックレンジを自然に聴こえるよう最適化するSBX Crystalizer、映画の会話を聞き取りやすくするSBX Dialog Plusなど、様々な機能を実装。そのほか『Dolby Digital Live』『DTS Connect』エンコードも採用し、AC-3やDTSのパススルーも可能となっているためAVアンプと接続することでより迫力あるリアル・サラウンドを楽しめるだろう。

このように「PCIe Sound Blaster ZxR」は「Sound Blaster」シリーズ最高の音質と機能性を獲得したハイクオリティサウンドボードとして仕上げられている。次回、「PCIe Sound Blaster ZxR」のステレオ再生能力にスポットを当て、ASIO出力や192kHz/24bit音源再生能力、ハイインピーダンスヘッドホン再生、オペアンプ交換についてレポートをお送りしたい。

【著者プロフィール】
岩井喬 Takashi Iwai
1977年・長野県北佐久郡出身。東放学園音響専門学校卒業後、レコーディングスタジオ(アークギャレットスタジオ、サンライズスタジオ)で勤務。その後大手ゲームメーカーでの勤務を経て音響雑誌での執筆を開始。現在でも自主的な録音作業(主にトランスミュージックのマスタリング)に携わる。プロ・民生オーディオ、録音・SR、ゲーム・アニメ製作現場の取材も多数。小学生の頃から始めた電子工作からオーディオへの興味を抱き、管球アンプの自作も始める。 JOURNEY、TOTO、ASIA、Chicago、ビリー・ジョエルといった80年代ロック・ポップスをこよなく愛している。

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