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無線LAN環境がなくても簡単にワイヤレス再生可能

ケンウッド「UD-NF7」レビュー − 気軽に導入できるAirPlay対応ネットワークコンポ

2012/11/29 取材・執筆/高橋 敦
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ケンウッド「UD-NF7」は、無線LAN機能を内蔵し、AirPlayとネットワーク再生に対応するオーディオシステム。他にiPodデジタル接続ドック、iPodデジタル接続対応USB端子、CD、AM/FMと、再生ソースの幅広さも特長だ。ネットワーク周りの機能を省略した低価格機「UD-F5」も用意される。

UD-NF7

ネットワーク機能を省略した下位モデル「UD-F5」も用意

ネットワーク機能のポイントは本機とスマートフォン等を「ダイレクトワイヤレス接続」できること。自宅に無線LAN環境が構築されていない場合でも、例えばiPhoneと本機を直接ワイヤレス接続してAirPlayを実現できる。Androidスマートフォンでも、DLNAサーバー機能を搭載したアプリを使えば同様のことが可能だ。ネットワーク接続の設定は少し難しいが、基本の説明書とは別紙でネットワーク設定の案内が用意されており、そちらはわかりやすい出来映え。

アンプは、デジタルの音声信号をデジタルのまま高精度に増幅するデジタルアンプ。左右各50Wのハイパワーで余裕を持ってスピーカーを駆動する。スピーカーは高音担当の2.5cmツィーターと低音担当の12cmウーファーによる2ウェイ構成。響きやニュアンスから迫力ある低音までを再現する。

今回はAirPlayを中心にその実力をチェック。すると音色やフレーズの滑らかさとほどよい厚みが好印象だった。

その良さが特に発揮されたのは女性ボーカル。宇多田ヒカルの声からはその柔らかな厚みをよく引き出してくれて、柔らかく優しい手触りの質感も生かされている。相対性理論のボーカル(やくしまるえつこ)の声も、そのシャープな成分と柔らかな成分をどちらも巧く引き出す。楽器の表現も不足なしだ。ベースはフレーズのつながりがスムーズでグルーブがしなやか。シンバルは歪みっぽさがなく、澄んだ音色で綺麗に抜けてくる。楽器とボーカルとのバランスも適当。荒れも含めた迫力を求める方には物足りないかもしれないが、暴れず乱れず穏やかにまとまっているこの音調は、聴いていて心地よい。

無線LAN周りの便利さとこの好音質の組み合わせ。スマートフォンでもっと本格的にオーディオを楽しみたくなった方にちょうどフィットするスタイルの製品だ。


UD-NF7
【SPEC】●実用最大出力:50W×2 ●入出力端子:iPod/iPhoneドックコネクター、USB端子、アナログ入力、サブウーファー出力、ヘッドホン出力、iPhone/iPod用コンポジットビデオ出力 ●スピーカー:2ウェイ・バスレフ ●USB部:MP3/WMA再生対応 ●消費電力:40W ●最大外形寸法:215W×96H×335Dmm(センターユニット)、148W×262H×195Dmm(スピーカー) ●質量:2.8kg(センターユニット)、2.5kg(スピーカー) ●問い合わせ先:ケンウッド カスタマーサポートセンター TEL/0570-010-114


◆筆者プロフィール 高橋 敦
埼玉県浦和市(現さいたま市)出身。東洋大学哲学科中退後、パーソナルコンピュータ系の記事を中心にライターとしての活動を開始。現在はデジタルオーディオ及びビジュアル機器、Apple Macintosh、それらの周辺状況などに関する記事執筆を中心に活動する。また、ロック・ポップスを中心に、年代や国境を問わず様々な音楽を愛聴。その興味は演奏や録音の技術などにまで及び、オーディオ評に独自の視点を与えている。

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