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CD/iPodデジタル接続/USBメモリ/Bluetoothなど多彩なソースに対応

ケンウッド「C-535」レビュー − ちょっとだけ贅沢で良質なオーディオが欲しいスマホユーザーにおすすめ

2012/11/28 取材・執筆/高橋 敦
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ケンウッドの「C-535」は、Bluetoothでスマートフォン等とワイヤレス接続できる、コンパクトなシステムコンポ。

Bluetoothを使い始めるには他の製品と同じように、最初にペアリングという設定が必要。しかし本機の場合はリモコンにペアリングのための専用ボタンが用意されており、操作に迷うことなくすぐに実行できるのが嬉しい。ワイヤレスでなくてよいのでより高音質で楽しみたい場面に向けては、iPodデジタル接続対応のUSB端子も用意されている。

C-535


本機はCDドライブも搭載。CDは上から縦にスロットインする配置。それによって約14cmという短い奥行が実現されており、様々な場所に設置しやすい。ルックスはシンプルだが、電源をオンにするとイルミネーションライトが点灯するのはポイントだ。

アンプはデジタルの音声信号をアナログに変換することなくそのまま増幅するデジタルアンプを採用し、信号の鮮度を向上。スピーカーは高音と低音のそれぞれ専用のドライバーユニットを搭載する2ウェイ構成。コンパクトながらバランスの良いサウンドを実現する、ツインダクト構造も採用している。

まずは本機の主役である、Bluetoothワイヤレス接続で試聴。すると小型薄型スピーカーの割に低音がしっかりとしており、全体的にも厚みのある音だ。ベースにはくっきりとした力強さがあり、バンドの中に埋もれることなく、ドライブ感を発揮。曲によってはゴリゴリとやや硬質な音色での迫力も生み出す。高音側ではシンバルの描写が的確。ひとつの曲の中で、ある一打は荒っぽく、他のある一打はソフトなど、ニュアンスを描き分ける。女性ボーカルは声に含まれるシャープな成分も適当に残し、生々しさを出す。ギターの和音などの解像感はさらにもう少しを望みたいところだが、全体としては納得できる音質だ。

接続をiPodデジタルにすると音質はさらに良好だ。シンバルの歪み感が減り、ボーカルの抜けも良くなる。聴き込みたい時はこちらを利用するとよいだろう。

気負いすぎず、でもちょっとだけ贅沢で良質なオーディオシステムがほしい。そんなスマートフォンユーザーには魅力的な製品と言える。


【SPEC】●スピーカー部ユニット:90mmウーファー、40mmトゥイーター ●アンプ部・実用最大出力:20W+20W(JEITA 8Ω) ●消費電力:30W(待機時0.5W以下) ●外形寸法/質量:本体部→170W×198H×139Dmm/1.4kg、スピーカー部→133W×196H×123Dmm/0.8kg(1本) ●問い合わせ先:ケンウッド カスタマーサポートセンター TEL/0570-010-114

◆筆者プロフィール 高橋 敦
埼玉県浦和市(現さいたま市)出身。東洋大学哲学科中退後、パーソナルコンピュータ系の記事を中心にライターとしての活動を開始。現在はデジタルオーディオ及びビジュアル機器、Apple Macintosh、それらの周辺状況などに関する記事執筆を中心に活動する。また、ロック・ポップスを中心に、年代や国境を問わず様々な音楽を愛聴。その興味は演奏や録音の技術などにまで及び、オーディオ評に独自の視点を与えている。

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