「他に類を見ないコストパフォーマンスの高さ」

【レビュー】クリプシュ最上位フロアスタンド「RF-7 II」を聴く

岩井喬

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2012年08月03日

■「RF-7 II」は他に類を見ないコストパフォーマンスの高さ

日本で展開されているクリプシュスピーカーの最上位となる「Reference」シリーズ。本項では同シリーズの最上位フロアスタンディング機「RF-7 II」について見ていこう。

Referenceシリーズは、高効率かつフラットな周波数特性と広いダイナミックレンジ、的確な指向特性を持つ独自の“Tractrixホーン”と、温度や湿度による影響を受けにくく、歪みを最小限に軽減したという軽く丈夫なセラメタリック・コーン・ウーファーによる構成を持たせており、キャビネットはブラックか、木目を生かしたチェリーカラーがラインナップされている。

RF-7 II

カラーバリーションとしてチェリーモデルも用意

「RF-7 II」についても基本的なフォルムはシリーズ共通のものであるが、いざ対峙してみるとその大きさに圧倒される。

高域を担当するホーントゥイーターは大型の4cmチタン・ダイアフラム・コンプレッション・ドライバーを、低域はブランドカラーであるブロンズ色を配したセンターキャップレス構造が目を惹く2発の25cmセラメタリック・コーン・ウーファーが搭載され、クロスオーバー周波数は1.2kHzとする2ウェイ3スピーカー構成だ。

能率は101dBとホーン型ならではの高いスペックを持っており、比較的小出力なアンプや管球アンプとの組み合わせも視野に入れることができる。

背面には二つのバスレフポートがベースに近い側へ備えられており、スピーカーターミナルはバイワイヤリングに対応。こうした大型モデルで高能率なスペックを持ちながら、ペアで50万円を切るという価格設定は、他に類を見ないコストパフォーマンスの高さであるといえるだろう。

背面の様子

■フロアスタンド「RF-7 II」を聴く

では実際に「RF-7 II」のサウンドを聴いてみよう。試聴にはマランツのプリメインアンプ「PM8004」とSACD/CDプレーヤー「SA8004」を組み合わせることにした。比較的リーズナブルな製品との組み合わせでもどれくらい鳴ってくれるのかをチェックしようというわけだ。なお今回は、クリプシュスピーカーの様々なジャンルの音楽に対する対応力の高さを見るために、試聴に用いる楽曲も幅を持たせ、ロックやアニソンを含めた構成としている。

まず全体的なサウンド傾向であるが、ホーン型ならではの鮮度と切れ込みの良い高域を中心に、歯切れよく余裕のある量感を持つ低域が音像へ程良い肉付きを与えている。

質感表現としてはストレートかつドライなもので、定位もピンスポットのように鋭い。軽快なアタックとキレの良いリリースによって透明度の高い音場を生み出す。しかしながら耳当たりの良い倍音成分もわずかに加わっており、刺激性を抑えた聴きやすさも併せ持っているようだ。

RF-7 IIを試聴する岩井氏

まずは普段から試聴に用いているソースを確認してみる。クラシック音源では管弦楽器の旋律の立ち上がりが素早く、スカッと伸びの良い爽快な浮き立ちで、音の詰まりを感じることがない。

低域のダンピングも優れており、ティンパニのアタックも引き締めつつ弾力感を残したものとしている。音場の余韻は素直で、自然な広がりの中、爽やかな響きを残す。

ジャズ音源においては立ち上がりの良いドラムと、キレのある胴鳴りそして弾力ある弦のたわみ感を見せるウッドベースがきりっとした音像を描き、中高域にふくらみのあるピアノのマイルドで澄んだ音伸びとともに耳馴染み良いサウンドを聴かせてくれる。

ホーンセクションの鮮度感、輝き感もちょうど良い際立ちで、アンビエント成分も自然に感じることができた。女性ヴォーカルはウェットで艶やかな表現であり、程良いボトムの肉付き感と口元のハリが得られ、音像の存在をスムーズに描き出している。

続いてはポピュラー音源であるが、現代的なブライトさが際立つピアノの透明感あふれるタッチはキレが良く、音離れ良いヴォーカルとの対比がバランス良い。

アコギの爪弾き感など、弦楽器のタッチは倍音成分を豊かに表現し、煌めきある質感として捉えることができる。低域の中心となるキックドラムはどっしりと重みがあり、ベースは程良い緩やかさを残し輪郭のエッジを見せる。

そしてロック音源においてはわずかに膨らみあるドラムやベースがスマートに描かれ、アタックもスピード感あふれるものとなる。エレキの倍音の伸びもナチュラルでディストーションのザクザクとした厚みも心地よく聴かせてくれる。対してヴォーカルはシャープな音像で明瞭度も高く、ドライブ力のあるサウンドである。

ロックやアニソンとの相性もチェック

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