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6作品の画質・音質を徹底チェック

発売直前最速レポート!『スター・ウォーズ』BD-BOXのクオリティ&見どころを総力検証

2011/09/09 逆木 一
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エピソードIII シスの復讐

■画質チェック:“スター・ウォーズの画”の完成形

そうだ、そうだった。『アバター』の前に本作があったことを忘れていた。

実写やフルCGといった枠を越え、1,920×1,080という土俵で(シネスコなので表示領域は多少狭まるが)、これ以上の画質を望むのは難しいのではないかとさえ思えてくる。CGIのディティールは限界知らずに進化し、ディスプレイを突き破ってこちらに溢れ出してきそうだ。

冒頭の宇宙戦、グリーヴァス将軍の登場、さらに光の凝縮したコルサント、ありとあらゆるシーンにおいてスタッフの執念と愛情が注ぎ込まれ、それらを細大漏らさずディスクに閉じ込めることに成功している。

実写部分が実質的に俳優以外存在しない映画のため、もはや実写とのつながりを気にする必要が無く、やりたい放題にCGIを作れるというのはまさに『アバター』同様の強みであり、それが恐るべき情報量として結実している。地味ながら凄まじいと感じたのは、C-3POのボディの煌めきである。

撮影機材の進歩の恩恵であろう、実写部分の画質、俳優たちの表情や衣装のディティールも大幅に増している。前作では一部CGIとの合成において実写部分の情報量不足が感じられることもあったが、本作ではそのようなことはない。

特にメイス・ウィンドゥとダース・シディアスの対峙など、両者の凄まじい形相を鬼気迫るディティールで映し出し、本作の画質的なハイライトのひとつである。作品の性格を考えれば、比較的明るめだった前作・前々作とは異なり、登場人物の表情を深く鋭く掘り下げることは必須の要件であり、画質の進歩が果たした役割は非常に大きい。創作意欲のある限り限界を持たないCGIを相手にしながら、もはや存在感において劣ることは皆無である。

内容を反映して、本作では明らかに闇・夜・影といった暗いシーンが増えており、映像にさらなる深みを与えている。もちろん、圧縮にまつわるノイズといった低レベルな問題とは無縁であり、思わず息を呑むような透明感、高S/N路線は前2作から継承している。前述のようにさらなるディティールを纏い、想像を絶するほどの情報量を漲らせながらも、映像から受ける印象はあくまで柔らかい。これこそ新3部作に共通の“スター・ウォーズの画”である。


映像的なハイライトはヨーダとダース・シディアスの死闘。執務室から元老院の議事堂へと舞台が展開していくシーンなど、画質、演出、あらゆる映像のパワーを結集し、もはや神々しくもある。もちろんそれ以外にも、目に入るすべてのシーンが凄まじいエネルギーを有しており、視覚の御馳走が途切れることはない。

繰り返しになるが、本作にフィルムは介在しない。だから画質の指標としての“フィルムライク”などという言葉は本作には使えない。だが、本作は美しい。玄人が好み絶賛するような画質ではないが、万人が見て万人が美しいと感動できる、普遍的な高画質である。

【画質評価】
 情報量:100
 解像感:90
 安定感:100
 総合評価:97

■音質チェック:サラウンドミックスは史上空前のクオリティ

音質についても記しておこう。音楽にも効果音にも重く激しい響きが加わり、盛り上がりも増している。それでもやはり、音楽主体の音響であることに変わりは無い。

効果音は主役にはならず、あくまで映像の引き立て役に徹しているという印象だ。むしろ全体的に静かで、穏やかですらある。つまるところ、音響的な面では新三部作はアクション映画ではなく、ドラマだったのだろう。

劇伴のサラウンドミックスにおける技巧は史上空前のクオリティと言ってよく、映画的迫力よりも、真にオーディオ的な再生能力に秀でたシステムで真価を発揮するものと思われる。筆者は本作のサントラを持っているが、音質的にも満足度的にも、CDよりも圧倒的にBDの方が良いと自信を持って言える。

音響的なクライマックスは映像同様、ヨーダとダース・シディアスの死闘である。目いっぱい音量を上げて神話的な展開に酔いたい。


調べてみたところ、新三部作のみならず、スター・ウォーズ全作品の音響を手掛けているベン・バートは『WALL・E』の音響も手掛けているようだ。ここでなるほど、と合点がいった。『WALL・E』の音響もまた、決して効果音がでしゃばることなく、世界観の表出や展開の盛り上げ役に徹したものになっているからである。

背景に神話的骨子を有する『WALL・E』と比較するまでもなく、スター・ウォーズは直球勝負の神話的な物語構造を有している。ならばスター・ウォーズ新三部作の音響は“神話的音響”とでも呼ぶべきか。

個人的には、本当に個人的には、いかにもアクション映画然としたハッタリとダイナミズムも味わいたかったところではあるのだが。その中で聴きどころを記すと、冒頭の宇宙戦、オビ=ワンvsグリーヴァス将軍のシーン、英雄たちの戦い(BGMのタイトルでもある)、エンド・クレジットとなる。

【音質評価】
 技術:100
 力感:80
 品位:90
 総合評価:89

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