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あなたの“買い”モデルはどっち?

パナソニック“VIERA"VT3とGT3を実写画像で徹底比較 − 意外な結果が明らかに!

公開日 2011/04/22 19:41 折原一也
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■動画解像度の差をチェック

昨年の旧モデルを用意していないが、VT3、GT3のどちらも映像のキレは非常に良く、残光による尾引きノイズはほどんど見られなくなっている。VT3とGT3の違いも、目で見て違いが分かるほどの差は出ない。同一シリーズの新旧比較では、GT3は昨年モデルと比較して大幅に画質が向上したと考えて良さそうだ。

動くタクシーをシャッタースピードを上げて撮影。写真はVT3


GT3の画面。ナンバープレートの鮮明さはほとんど変わらない

より一般的な映像ソースの例としてBD映画『マッチポイント』も視聴。同じ映像を同時に表示し、画質の比較を行った。照度100ルクス程度の環境で「リビング」設定で視聴すると、VT3、GT3で大きく画質傾向が異なることに驚かされた。

たとえば、チャプター3。GT3は良く言えば濃厚な色を描き出すが、映画としては赤みがかり、肌色の階調もべったりとした印象。これに対してVT3は、明るい部屋の環境下でも、よりしっかりと、映画らしく色温度を下げた、マスターモニターのような自然な色を描き出す。

シネマモードでの参考用画像。VT3

GT3では色合いが全く異なり、赤みがかってしまう

チャプター21は白を基調としたリビングに色とりどりの果物、シルバーの食器類、そして人が並ぶシーンだが、VT3は「リビング」設定であっても金属の質感をしっかりと描出。映画のフィルムらしい柔らかな色合いと緻密さも出る。

GT3は全体にメリハリが効いて一見奥行きがあるように見えるものの、やはり全体に赤みがかっているのが気になる。また髪の毛など細部を見ると、ディテール再現性では一歩譲るようだ。



2011年のパナソニック“VIERA”最上位のVT3シリーズ、ミドルレンジ機にあたるGT3シリーズの画質を比較してみたが、GT3については、昨年のVT2に並ぶ水準になっていることがわかった。

また画作りには違いがあるものの、GT3の画質自体が相当に向上していることが実感できた。特に黒レベルや動画解像度については、VT3シリーズとほぼ変わらない。ミドルレンジでここまでの能力を備えているのは驚くべきことだ。

2011年の“VIERA”で最上級の性能と本格志向の映像、さらには高級感溢れるデザインを求めるのなら、やはりVT3シリーズということになる。だが、より手頃な価格で最上位機種に肉薄する画質が得られるGT3シリーズも、かなりお買い得な選択肢と言えるだろう。

(折原一也)

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