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編集部員がハンドリング

防水/耐寒“Cyber-shot”「DSC-TX5」をスキー場で試す − とりあえず雪に埋めてみた

公開日 2010/03/02 17:35 ファイル・ウェブ編集部:小野佳希
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防水・防塵・耐衝撃・耐低温性能も搭載したタッチパネル操作採用の“Cyber-shot”「DSC-TX5」(関連ニュース)。スリムな筐体と「防水・耐低温性」が大きな特徴である同機種だが、そうした性能の実力を体感するべく、編集部員がスキー場で実際に製品を使用してみた。


■とりあえず雪に埋めてみた

当日は気温が暖かめで、雪ではなく小雨が降り、しかも濃霧というコンディション。防水性能を試すには小雨は好条件とも言えるが、マイナス10度まで耐えられるという耐低温性能の限界まではテストできないのが残念。しかしそうは言っても寒い場所ではあるので、とりあえず最初は雪の中に機体を埋めてみることにした。

埋めてみた

濃霧でホワイトアウト

電子機器を雪に埋めるなど滅多にやらないことだけに、少しドキドキしながらの行動だったが(実際に、同行した知人からは「え!?大丈夫なの?」と心配された)、もちろんこれは問題なし。当然ながら掘り出した後すぐに撮影を再開することができた。

その後、記者は滑っている最中やリフト乗車中などいくつかのシーンで実際に撮影を行ってみた。使ってみて好印象だったのは「防水に気を使わなくてよい」という安心感の大きさだ。また、安心感について言えば、1.5mからの落下を想定した耐衝撃性も備えているため多少なら転倒しても大丈夫だろうという点もさらにプラスされる。今回のようにアクティブに持ち歩いて使用するには非常に大きな利点だろう。

コース脇の林を撮影(以下、作例写真は全てAdobe FireWorksで800×600にリサイズしレタッチせず圧縮率95パーセントで保存)

リフト乗車中にチケットホルダーを撮影。雪が積もるのではなく小雨が水滴になっている

なお、本機を含む“Cyber-shot”には撮影条件に合わせて設定を自動調整する「シーンセレクション」が搭載されており、雪の中での撮影用に「スノーモード」も備えている。そのほかでは、「ビーチ」や「打ち上げ花火」といったこれからの季節に向けてのモードも装備しているので、スキーシーズンが終わっても色々と活用できそうだ。

スノーモードなど撮影シーンに合わせた自動調整機能を装備

「料理モード」も装備しているので昼食のモツ焼き丼を撮影してみた

また、今回のテストに際しては同時発売されるキャリングケース「LCS-THQ」も使用してみた。流石に専用なだけあってジャストサイズで本体の出し入れもしやすいのはもちろん、穴が空いているため本体に付いた水が自然に抜けていく点も便利だった。ゴム製なので水濡れを気にせず済むのもポイントだ。

ファスナーの開け閉めなどがないので出し入れがスムーズに行える

■スイングパノラマやペイント機能も積極的に活用できそう

防水からは離れるが、筐体のスリムさという特徴とともに外へ持ち歩いて使用する際に“使える”機能がそのほかにもいくつかある。顔と動き検出に対応した「スイングパノラマ」や、撮影画像を本体で加工できるペイント機能などはその代表例だろう。

スイング方向は上下左右の4方向を選択可能

そのほか画像閲覧機能では撮影日ごとに分けたカレンダー表示も可能

「スイングパノラマ」機能では、「DSC-TX7」と「DSC-HX5V」同様に人物の顔と被写体の動き検出に対応。動きのある部分は画像の幅を広くとるなど、つなぎ合わせる画像の幅をリアルタイムに変更することで、不自然なつなぎ合わせを回避できる。この機能を試してみたのが下の写真。下り方向のゴンドラに乗車し、上昇してくる対向のゴンドラを含む風景を撮影したのだが、なかなか良好な結果が得られたように思う。

ゴンドラ内からの風景を撮影

また、スイングパノラマでは本体で再生する際に、液晶画面に合わせて最大化した画像を撮影時のスイング方向に合わせてスクロールしながら表示する(下記はその様子の動画)。友人や家族との旅行など、撮影したその場で画像を確認したくなるようなシチュエーションでは、こうした点も活躍しそうだ。



ペイント機能は、その名の通りにタッチパネル液晶の利点を活かして画像にペイントできるというもの。製品には同機能用にスタイラスペンが同梱されている。

同機能には、昨今のプリクラ機のようにフレームやスタンプなどの各種装飾用画像をプリセット。これらを使って落書きした画像を後で友人とシェアして楽しむなどという使い方ができるわけだ。防水機能にこだわらない人であれば、TransferJetに対応した「DSC-TX7」同士でその場で画像を交換するというのも面白そうだ。



なお、フレームは15種類から選択可能で、加工後の画像はちゃんと元ファイルとは別名で新規に保存される。ちなみに、記者がペイント機能を使って作成したのが下記の写真。集中線と吹き出しというマンガのコマ風のフレームに、バンクーバー五輪でネットを中心に一躍人気が高まったカーリング解説者の小林氏の言葉を書き入れてみた(このコメントの詳細はこちら)。

この元画像が…




こうなった


■本機が活きる使用シーンは?

さて、こうして雪にも充分耐えられることが分かった本機だが、時季的に「今からスキー/スノーボードになんかもう行けないよ」と思う方もいるかもしれない。そこで、これからの季節でどのような使い方ができるのか、記者が個人的に感じた点から使用シーンをいくつか考えてみた。

<噴水などで遊ぶ我が子を親が撮影>
これから暖かくなるにつれ、公園などに自分の子供を連れて親が出かける機会も増えていくだろう。噴水や水辺があるような場所で遊んでいる我が子の姿を撮影するのに使えそうだ。水に濡れた手でペイント機能を使っても大丈夫なので、撮影した画像をその場で子供と一緒に加工して遊んだりといったこともできる。

<ウォータースライダーの出口で動画撮影>
夏場にプールへ出かけた際に、ウォータースライダーを滑り降りてくる友人の姿を撮影。着水の際に大きな水しぶきがあがる様子などは、被写体としてもなかなか面白いのではないだろうか。もしかしたら“ポロリ”も撮れるかもしれない。

<スポーツ観戦のお供に>
Jリーグが3月6日から、プロ野球が3月20日(パ・リーグ。セ・リーグは3月26日)から開幕する。ドーム球場も増えたとはいえ、基本的にスポーツは屋外で行われるため、常に雨の心配がつきまとう。梅雨の時季などは特にそうだろう。そうした際には防水機能付きのデジカメが威力を発揮するというわけだ。ちなみに、下記は「スイングパノラマ」で観客席からサッカー場を撮影した画像なのだが、なかなか面白い写真が撮れたと思う。

サッカー場をほぼ全て1枚に収められる

<オリジナルの遊びを開発>
「なるべく正面から顔を多く撮影したほうが勝ち」というルールにし、水鉄砲で撮影をお互いに邪魔し合うサバイバルゲーム…などのようなオリジナルの遊び方を開発。少年時代に戻ってなるべく馬鹿馬鹿しいな遊び方を考えたい。ちなみに、例に挙げたような遊び方では、スマイルシャッターの検出レベルを最大に設定しておくのもポイントだ。

■他社と異なるデザインの方向性も特徴 - 防水デジカメに新たな選択肢

ここ最近で数が増えてきている防水対応デジカメ。そんな中で本機が他社製品と異なることのひとつに、デザインの方向性も挙げられる。例えばカシオ「EX-G1」やパナソニック「DMC-FT2」などのように、どちらかというと他社製品には防水や防塵といったタフさをイメージさせるようなデザインのものが多いが、本機は「濡れても、撮っても、スタイリッシュ」と謳っているようにスタイリッシュなデザインを標榜しているのだ。

もちろん、これはどちらのほうが優れているといったものではなく個人の好みの問題なのだが、機能面だけでなくデザイン面からも選択の幅が広がったという点で本機の登場は歓迎すべきものではないかと思う。

実は記者は海無し県に生まれ育ち、水泳やサーフィンなど水にまつわる趣味を持っているわけでもない。だが、防水対応デジカメを個人的に初めて使用してみて「不意に濡らしてしまっても大丈夫だという安心感」は非常に魅力に感じた。高画質化や高機能化とともに、防水も今後のトレンドのひとつになって欲しいと感じたテストだった。

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