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Razerと協業の開発キットも

クアルコム、ポータブルゲーム機専用SoC「Snapdragon G3x Gen 1」を発表

公開日 2021/12/02 11:33 山本 敦
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米クアルコムが次世代ゲームデバイス向けとして、新しいカテゴリーのSoCとなる「Snapdragon G3x Gen 1 Gaming Platform」を発表した。ゲーミングデバイスを幅広く展開するRazerと協業する開発キットの提供も12月から始まる。

Snapdragon Tech Summit 2021のイベントで、プレジデント兼CEOのクリスティアーノ・アモン氏が「Snapdragon G3x Gen 1」を発表した

クアルコムはAndroidスマホやモバイルPC向けのSnapdragonシリーズにおいて、ゲーミングエンターテインメントを快適に楽しめる高い性能を確保した専用のプラットフォームと、Snapdragon Elite Gamingのテクノロジーを提供している。G3x Gen 1はこれまでにクアルコムが獲得してきたゲーミングエンターテインメント向けのノウハウをベースに、良質なコンシューマー向けゲーム製品の開発をサポートするプラットフォームとして位置付けられる。

初のゲーミングデバイス向けSoC「Snapdragon G3x Gen 1 Gaming Platform」

プラットフォームに統合されているGPU「Adreno」は10bit HDR階調のグラフィックスを144fpsのフレームレートでスムーズに描画できる性能を備えている。オーディオもまた、音質と低遅延性能に優れるaptX Adaptiveコーデックを含むSnapdragon Soundをサポートする。

SoCにはミリ波とSub-6の5G通信に対応するモデム・RFシステムを統合。G3x Gen 1チップを搭載するゲーミングデバイスは単体で5G通信ができるだけでなく、Wi-Fi・Bluetoothの無線通信を制御するサブシステム「Qualcomm FastConnect 6900」を加え、Wi-Fi 6とその拡張規格であるWi-Fi 6Eによる高速通信も一手に担う。

5G通信に対応。Snapdragon Soundによる高品位なBluetoothオーディオもサポートする

AKSys社のサポートにより、ディスプレイをタッチして操作する機能をデバイスに搭載されているコントロールボタンにマッピングして、幅広いゲームの操作に対応するインターフェースを実現する。G3x Gen 1を搭載するデバイスにUSB-CでXRビューアーを接続してマルチスクリーン体験を楽しんだり、4Kディスプレイのテレビのゲームコントローラーとしてデバイスを機能させる応用的な使い方にも対応する。

クアルコムはRazerとの協業により、ゲーム開発者向けに「Snapdragon G3x Handheld Gaming Developer Kit」を12月2日から提供する。このポータブルゲーム機の開発キットにはFull HD+の解像度を備える6.65インチOLEDディスプレイで、最大120HzのHDR映像を表示するパフォーマンスを備える。

Razerと共同開発による開発キット

Tech Summitの終了後からリファレンスキットとして提供される

2基のマイクと解像度5MPの1080p/60カメラにより、ユーザー自身がゲームをしている様子をキャプチャーしたり、ゲームをストリーミング配信する使い方にも対応する。

開発キットはまた5Gミリ波・サブ6とWi-Fi 6Eによる低遅延、高速なアップロード・ダウンロードにも対応。長時間のゲーミング使用を想定してバランスが良く、持ちやすいデザインとした。本体に内蔵する4ウェイスピーカーがパワフルなサウンドを再生。Bluetooth接続もSnapdragon Sound対応を基準として、低遅延のゲーミングエンターテインメントの開発のリファレンスにもなる。

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