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設計担当者のトークショーも

ソニーのゲーミング「INZONE」本日発売。カプコン川田P「バイオハザードと相性がいい」

2022/07/08 編集部:成藤 正宣
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ソニーが新たに立ち上げたゲーミングブランド「INZONE」。その第1弾製品となるゲーミングモニター「M9」、そしてゲーミングヘッドセット「H9」「H7」「H3」が、本日7月8日に発売となった。

ソニーのゲーミングギア「INZONE」4製品が本日発売

これを記念したローンチイベントが、ソニーストア銀座にて開催された。モニターとヘッドセットそれぞれの設計担当者が、満を持して登場したソニーブランドのゲーミングギアの特徴を改めて語るとともに、『バイオハザード』シリーズのプロデューサーを務めるカプコンの川田将央氏がゲストとして登場。INZONE製品の体験談をクリエイターの立場から語ってくれた。

ソニーストア銀座にて「INZONE」発売記念イベントが開催

INZONEブランドは、テレビ“BRAVIA”(ブラビア)やヘッドホンなどの開発で培ってきたノウハウや技術を投入した、ソニーとしては初めてのゲーミングブランド。第1弾製品として、モニター2モデル、ヘッドセット3モデルの計5製品が発表されており、その内冒頭で挙げた4製品が本日7月8日に発売となった。

イベントで最初にマイクを取ったのが、モニターの設計を担当した竹田氏。自身も長年ゲーマーであり、ソニーに入社する以前から“最高のゲーミングモニターを作りたい”との夢を抱いていたという竹田氏だが、「まさかこんなに早くその日が来るとはまったく思っていなかった」そうだ。

「INZONE」モニター設計を担当した竹田氏

その興奮の中で開発したという「M9」は、4K解像度と144Hz駆動に対応する27型液晶モニター。オープンワールド型のゲームや、『バイオハザード』シリーズのようなシネマティックなアクションゲームなどと相性の良い、画質重視のモデルと位置づけられている。

4K/144Hz対応の27型モニター「M9」

大きな特徴として、テレビ“BRAVIA”譲りの直下型LED方式のバックライトを採用しており、高いコントラストと色再現性を実現。そのスペックを具体的な数値に基づいて示した規格「DisplayHDR 600」の認証も取得している。

多くのゲーミングモニターで採用されているエッジ型バックライトと比較して、直下型バックライトではパネルの裏側に配置したLEDを細かく制御するため、「映像の暗いところはきちんと暗く、ピンポイントに明るいところはシャキっと表現できる」と竹田氏は説明。「今までは見ることができなかった暗闇の中のディテールなど、実はこんなものが映っていたんだということを改めて発見してもらいたい」と、高い画質がゲームの楽しみを広げることを述べた。

INZONEのモニターとしてはもう1モデル、フルHD/240Hzの「M3」も発表されている。こちらはFPSなど競技性の高いゲームジャンルに適した高速駆動重視のモデルとして、鋭意開発を進めているという。

また竹田氏は、INZONEモニターのデザインや機能面についてもアピール。キーボードやマウスの設置スペースを広く取ることができる三脚型スタンドや、明るさやコントラストなどのモニター設定をマウスで操作できる専用ソフトウェア「INZONE Hub」など、でなるべくゲームだけに集中できるよう使い勝手を高めたのだと述べた。

3脚型のスタンドにより、キーボードやマウスの配置と干渉しにくいとしている

続いて、ヘッドセット「H9」「H7」「H3」の3モデルについて、設計担当の生出氏が特徴を語った。これまで10年以上にわたりヘッドホンの音響設計に携わってきたという生出氏は、近年のゲームサウンドの音質向上を実感していたこともあり、“良い製品ができる”という確信を持ってINZONEヘッドセットの設計にあたったそうだ。

「INZONE」ヘッドセットの設計を担当した生出氏

ラインナップの内訳は、H9/H7がBluetoothと2.4GHzの2方式に対応した無線モデル、H3が有線モデルとなる。中でも最上位モデルのH9は、アクティブノイズキャンセリング(ANC)も搭載している。

ANC搭載の無線モデル「H9」、無線モデル「H7」、有線モデル「H3」をラインナップ

3モデルすべてに共通する特徴は、没入感にあふれる音を実現するため、ソニー独自の立体音響技術を投入していること。専用ソフトウェア「INZONE Hub」と、ひとりひとりの耳の聴こえ方に応じた音響最適化技術を組み合わせることで、音が前後左右上下のどの方向から聴こえてくるのか非常に分かりやすい、優れた定位を実現したという。

また生出氏は、長時間でも快適な装着感にも自信を見せる。イヤーパッドは柔らかく厚みがあり、肌に広い面積で接することで圧力を分散。頭を押さえつける側圧も弱めに調整することで、「10時間以上着けていても痛くならない」と語る生出氏は、自らもゲームだけでなくWeb会議などビジネスシーンで活用していると話した。

そして最上位モデルH9のみ、ワイヤレスヘッドホン“1000Xシリーズ”と同等の技術を用いたANC機能を搭載している。家族や同居者の生活音、エアコンの動作音、PCファンの回転音といった集中を妨げるノイズを分離して、より一層ゲームへの没入を深められるとしていた。

ANC搭載の無線ヘッドセット「H9」

スペシャルゲストとして招かれたのが、『バイオハザード』シリーズのプロデューサー川田氏。今回のイベントに先駆けてM9/H9を試用したところ、「『バイオハザード』との相性が非常に良い」との感触を得たそうだ。

『バイオハザード』シリーズのプロデューサーを務めるカプコンの川田氏

例えば『バイオハザード ヴィレッジ』では、木の枝の自然な立体感、モヤ越しに薄っすらと見える城の遠景といったグラフィック、プレイヤーが雪を踏みしめる音や未知のクリーチャーに取り囲まれる音の定位などが、制作側の意図した通りに表現されていたという。

また『バイオハザード RE:2』では、複数のエフェクトが飛び交うリアルタイムレンダリングのカットシーンが美しく最適な映像表現をされるし、『バイオハザード RE:3』でも、ネオンサインの細やかなタッチや水たまりの反射といった明暗がHDRでありのままに再現されると評価。『バイオハザード』の美しさ、怖さをうまく表せていると感じたという。

「INZONE」の画質や音質が、『バイオハザード』の美しさや恐怖感を引き出していると感じたという

「思わず近づいて映像を見てしまったことも何度かあり、作り手側として『ごまかしが効かないな』と思わされた。音についてもスタッフがすごくこだわって工夫して作っているのだが、それをしっかりと表現できているというのはクリエイターとしてはやっぱり嬉しい」と川田氏は語っていた。

イベント終了後には、購入者へ川田プロデューサーから製品が手渡しされた

なお、ソニーストア銀座をはじめ全国のソニーストア5店舗では、7月31日まで「INZONE 特別体験会」を予約制にて開催中。PS5またはゲーミングPCにて、ゲーム『ELDEN RING』でINZONEのモニターおよびヘッドセットを体験することができる。

ソニーストアでは7月31日まで予約制の体験会を実施。7/10までは専門スタッフが案内している

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