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新オーダーシステムでお店注文を促進

富士フイルム、コロナ禍で会えない方へ「写真で元気を届けよう!」を掲げて写真年賀を盛り上げる

2020/09/25 PHILE WEB ビジネス編集部・竹内純
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■写真の力で伝えたい思いがある

富士フイルムイメージングシステムズは、年賀状施策についての説明会を開催。併せて、上期の業績について説明した。

冒頭、あいさつに立った同社代表取締役社長・西村亨氏が、上期の同社業績について説明した。コロナ禍で例年とはまったく異なる環境の下、「BtoBは比較的堅調に推移するが、BtoC向けフォトビジネスは回復の兆しが見えてこない。上期は赤字を覚悟し、下期で挽回して年間トータルで黒字を目指す。目標の再設定を行い、リスタートを切った。写真需要の回復を模索するが、旅行や結婚式、子育てなど、撮影チャンスが広がる活動の自粛により、なかなか回復のめどが立たないのが現状」と説明する。

富士フイルムイメージングシステムズ(株)代表取締役社長 西村亨氏

しかし、「こんなときだからこそ、写真の力で伝えたい思いがある。ほっと心が温まる、勇気をもらえる、笑顔になれる。写真にはそんな不思議な力がある」と力を込めた。この“写真の力”を伝えるために、新たに2つの活動に注力していく構え。

1つ目は、「今こそ写真で元気になろう!」を統一メッセージとして掲げた活動だ。具体的には、SNSでユーザーや写真館から、写真で元気になるエピソードを募集し、さらに幅広いユーザーへと拡散し、日本全国を元気にしようというもので、「#今こそ写真で元気になろう」キャンペーンとして、8月1日から9月22日まで開催した。写真の楽しみ方を広げる「フォトブック」「イヤーアルバム」の2冊目が半額になるキャンペーン、「シャッフルプリント」「コラージュプリント」が20%オフになるキャンペーンで強力に後押しした。

2つ目は、撮ったその場ですぐにプリントが楽しめるインスタントフォトシステム「instax“チェキ”」を活用し、コロナ禍でもより豊かなコミュニケーションを目指す活動「マスクの下は笑顔です。」を7月29日からスタートした。

新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、マスクを着用する生活様式が定着する中で、マスクで隠れてしまう笑顔を、チェキプリントして名札として身に着けることで、コミュニケーションの活性化を促すというもの。相手への安心感や親しみやすさを醸成することもできる。活動推進へ、チェキプリントを入れて身に着けられる名札入れ(20セット)とフィルム(10枚入りフィルム2パック)をセットにした、「マスクの下は笑顔です。」キットも販売が開始された。

8月7日放送のTV朝日「スーパーJチャンネル」でも取り上げられるなど注目を集めており、「年末の年賀ポストの獲得にもつながる重要な助走になる」と語る西村社長。「コロナ禍で厳しい状況が続くが、サバイバル戦略で難局を乗り切り、新たな成長戦略へと駒を進めていきたい」と訴えた。

■写真の力を形にする、それが年賀状

続いて、取締役・常務執行役員 営業推進部長・水沼誠一氏が、年賀状施策について説明した。

富士フイルムイメージングシステムズ(株)取締役・常務執行役員 営業推進部長・水沼誠一氏

年賀はがきは、2020年(前年)の発行枚数が対前年比95%となる24.4億枚、販売枚数では同91%と減少傾向に歯止めがかからない。しかし、水沼氏はその内訳に注目する。「お家インクジェットプリントは過去3年、64.1%、60.0%、58.6%と構成比が縮小する一方で、外注は同19.3%、23.2%、25.0%と拡大している。今年もこの流れは大きく変わらない」と指摘し、インクジェットプリント・ユーザーをターゲットにした外注への切り替えに引き続き注力していく。

「注文は年々後ズレしてきており、12月中旬で20%、下旬で28%を占め、年明け需要も増加している。年末ギリギリまで受け付けてほしい、当日受け取れるようにしてほしい、さらに、宛名印刷や年明けの注文にも応えてほしいといった声が大きくなっている」と年々変化するニーズへの対応がますます重要になる。

2021年、フジフイルムはこれらの声に応え、「プロ仕上げ。断然キレイなフジカラー仕上げ(銀塩)」と「最短1時間仕上げ。その日にお渡しできる印刷仕上げ」を前面に打ち出し、「写真店の特長が出せる両輪で押していく」と意気込む。目標は、店頭が対前年比100%、ネットが同112%、トータルで同104%。発行枚数減(95%)が予想される中、昨年は対前年比96%となった店頭実績を、店頭印刷の強化により100%を目指す。

“写真で元気を届けよう!”をキャッチコピーに、「写真の力を形にする、それが年賀状」と力強く語る水沼氏。目標達成に向けて大きなポイントとなるのが、新・年賀状受注ソフト「iPOS」の導入だ。これまでの銀塩仕上げ注文ソフトと印刷仕上げ注文ソフト、両者のデザインを共用化し、長所を併せ持つシステムとして新たに開発したもの。

新・年賀状受注ソフト「iPOS」を導入。お店でますますカンタンに年賀状がつくれる

銀塩仕上げと印刷仕上げのテンプレートが別々でわかりづらいなど、2つのソフトによる非効率の課題を解消し、集約されたカタログに掲載するテンプレートは全500点に拡充。要望の高まる宛名印刷も、これまでのラボ印刷に加え、店頭での対応も可能となった。店頭では即時処理が強化され、駆け込み需要への対応力も高められた。

これまで複数あったサービス名称もわかりやすく「富士フイルムポストカード」へ統一。同サービスの中に、印刷仕上げと銀塩のフジカラー仕上げとが揃えられている構図になる。店頭カタログもわかりやすく一本化されると同時に、新たにA5サイズ4頁立てのミニチラシを用意した。ミニチラシに掲載するQRコードからスマホでデザインを選び、店頭で選んだデザインを注文するより簡便で身近なスキームを構築。従来の店頭展開とは異なる訴求で、インクジェットプリント・ユーザーの切り替え促進を図る。

コロナ禍で会いたくても会えない方へ、「写真で元気を届けよう!」をキャッチコピーに掲げ、「マスクを外した家族の笑顔の写真で年賀状を送りましょう」と訴えかける

お家プリントユーザーに対し、銀塩仕上げのキレイさを手軽に体験してもらい、家でのインクジェットプリントから、フジカラー仕上げへの切り替えを促す「フジカラー仕上げ(銀塩)1枚無料体験キャンペーン」は昨年に引き続き実施。効果は極めて大きく、前年は体験したお客様の70%が本受注に至っている。「今年も体験を活かして本受注へつなげていきたい」と店頭、ネットそれぞれの展開を強化していく。

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