「ケーブルコンベンション&ケーブル技術ショー2026」7/23・24開催。AIや地域DXの展示・催しが拡充
オリジナル番組制作促進へ「クリエイターズ・グランプリ2026」を新設
「ケーブルコンベンション2026&ケーブル技術ショー2026」が、2026年7月23日・24日の2日間にわたって東京国際フォーラムにて開催される。その合同記者説明会が、一般社団法人 日本ケーブルテレビ連盟、一般社団法人 日本CATV技術協会、一般社団法人 衛星放送協会の主催者三団体により開催された。

「ケーブルコンベンション2026」は、ケーブルテレビ業界が持続成長していくための情報発信・情報交換・情報収集の場として開催される、ケーブルテレビ業界最大となる総合イベント。
衛星放送協会が新設した「クリエイターズ・グランプリ2026」もケーブルコンベンション内での開催となりスケールをさらに拡大。功労者表彰、優れた取り組み事例紹介、各種講演・セミナー、情報交換会などが行われる。
前記の「クリエイターズ・グランプリ2026」は、オリジナル番組の制作促進に重点を置いて新たに企画されたもので、未来のヒットコンテンツを“発掘・投資”する場としてオリジナル企画を募集。グランプリ作品には、制作費として賞金最大1,000万円が贈呈される。
ケーブルコンベンションでの大きな目玉のひとつとなるのが二大アワードの開催。地域から発信される映像文化の発展と制作力向上を目的とした「第52回番組アワード」、ケーブルテレビ事業者の地域における優れたコミュニケーション活動とプロモーション活動を称え、各社の活動内容の共有と認知向上を目的とした「第19回プロモーションアワード」。頂点となるグランプリをはじめとする各賞が発表される。
「ケーブル技術ショー2026」には、ケーブルテレビ業界の未来を支える最新技術、サービス、ソリューションが集う。「トータルソリューションゾーン」「テクノロジーゾーン」「地域DX・地域共創ゾーン」「トライアルブース」を設ける。主催者オープンステージでは、地域共創・地域DXをテーマとしたシンポジウムを開催する。
出展が増える「AI」は実装のフェーズへ
主催者三団体より開会へ向けた意気込みが語られた。日本ケーブルテレビ連盟 理事長 今林顯一氏はAIの進展に触れ、「ケーブルテレビ業界においても、業務の効率化を通じた人手不足の緩和やDXと組み合わせた“AX”による地域情報発信の高度化、災害対応など地域課題解決が可能になると考えている。ケーブルコンベンションでもAIを真正面から取り上げたプログラムを用意、技術ショーでもAI関連の出展がさらに増え、実装のフェーズに入ったことを実感されるのではないか」と述べた。

「私たちケーブルテレビ事業者は情報通信基盤を整備して、地域の信頼の礎の上に最新の技術革新の成果を乗せて事業をここまで発展をさせてきた。今後も自治体、地域企業、住民の皆様と連携しながら、新たな技術や事業領域に取り組むことで、地域課題の解決と収益拡大の両立を図ることが可能だと考えている」と 今林氏は語る。
こうしたチャレンジを具体化した「2030ケーブルビジョン」で定めている3つのアジェンダが、「地域密着の上に立った地域を超えた連携」「AIの最新成果をDXに取り込んだAX」「業界内連携の枠を超えた新たな連携」。
ケーブルコンベンション2026で掲げたメインテーマ「つながる力〜ケーブルテレビが社会をつなぎくらしを変える〜」は、この3つのアジェンダを象徴したものだという。今林氏は「地域のインフラ事業者として、また地域のプロデューサーとして、暮らしに根差した役割を一層果たす。その取り組みの一端をコンベンションの場でご覧いただきたい」と力を込めた。
日本CATV技術協会 理事長 中村俊一氏は、ケーブル技術ショー2026のコンセプト「ひらく未来〜地域コミュニティの明日を支えるケーブルテレビの技術〜」に込めた想いを、「人口減少や高齢化、災害リスクの高まり、またデジタル格差といった地域課題が深刻化するなか、ケーブルテレビは放送と通信を融合した地域密着のインフラとして、防災、医療、教育、地域DXなど幅広い分野で重要な役割を担っている」と説明した。

「ケーブルテレビ事業者と自治体が連携し、地域課題の解決に取り組む事例を、具体的に紹介しているので楽しみにしてほしい。地域に根ざした情報通信基盤としてのケーブルテレビの価値をご理解いただける内容となっている」とアピール。「ケーブルテレビ業界のさらなる発展と、地域社会の持続的成長につながる契機となることを期待している」と言葉を締めくくった。
衛星放送協会 専務理事 井川泉氏は「ご承知の通り、有料放送の視聴者の減少傾向に歯止めがかからない。各チャンネルともコンテンツを強化して、普及促進にこれからもう一段ギアを上げていきたい」と述べ、今年新たに立ち上げた「クリエイターズ・グランプリ」はこうした流れを受けたものだという。

毎年注目を集める多チャンネル放送研究所による、多チャンネルをどう広げ、活用していくかについての視聴者アンケートの報告も予定。こうした取り組みを契機に、「多チャンネル放送の普及について皆さんからご協力いただきたい」と訴えた。
実益性の高いプログラムが増えてきた地域ビジネス
質疑応答では、取り組みが強化される「地域密着」「地域DX」への質問に対し、「ケーブル技術ショー」では、テレビ放送以外の地域に密着した事業や自治体と連携した取り組みをアピールすることで、ケーブルテレビ全体を盛り上げていきたいとの考えを示した。
主催者テーマ展示コーナーでは、「自治体+ケーブルテレビ連携の最新事例から考える地域DX事業成功の条件」と題したシンポジウムを開催。ケーブルテレビ事業者6社から最新事例が紹介される。
一方、「ケーブルコンベンション」では、日本ケーブルテレビ連盟の活動を担う委員会のひとつ「地域ビジネス推進タスクフォース」において、事業領域の拡大や採算性向上へ向けた検討を行い、取り組みの成果を常時公開しているが、事業に結びつく可能性が大きい、実益性の高いプログラムが増えてきたという。委員会が主催するセミナーでは「地域ビジネスの『うねり』を共に起こすパートナーシップ構築」が催される。
地域ビジネス推進タスクフォースを担当する日本ケーブルテレビ連盟 常務理事 二瓶浩一氏は、業界各社の“横連携”の取り組みがかなり実質的になってきたと指摘。情報提供にとどまることなく、各社が頑張って築き上げたソリューションを購入、採用する流れが出来上がってきた。「ビジネスである限りきちんと稼いでいくことが大事。経験がないとなかなか真似ることもできないが、伴走支援も行う。こういうゾーンにようやく入り始めた」と説明する。
「意欲を持ってビジネスを全国に向けて提案していこうという人たちが出始めた」と株式会社ハートネットワークの愛媛県西条市におけるスマートシティの成功事例を説明した二瓶氏。「いよいよ“実証”から“実装”のフェーズに入ってきた。汗をかいた最初の自治体にも還元されていく。まさに私たちの業界の中にもそうしたサイクルが生まれてきた」とその流れをさらに大きなうねりへと変えていく重要性を訴えた。

