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5月21日(木)より販売開始

ヤマハミュージックジャパン、英「ROLI」製品を国内展開。次世代鍵盤楽器やAI音楽学習プラットフォームを投入

公開日 2026/04/22 12:34 編集部:原田郁未
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ヤマハミュージックジャパンは、イギリスの音楽テクノロジー企業「ROLI」製品の国内展開を5月21日(木)に開始、ヤマハ直営店および全国のヤマハ特約店を通じて順次販売する。ROLI製品の店頭販売は世界初の取り組みになる。

取り扱う製品は、ハンドトラッキング対応MIDIコントローラー「Airwave」、MPE対応キーボード「Seaboard 2」「Seaboard M」、光る鍵盤を採用したキーボード「ROLI Piano」「ROLI Piano M」。それぞれ税込の参考価格は、Airwaveが69,300円、Seaboard 2が249,700円、Seaboard Mが66,000円、ROLI Pianoが108,900円、ROLI Piano Mが49,500円。

Airwaveは、赤外線カメラで手や指の動きを捉え、ジェスチャーをMIDIコントロールへ変換するデバイス。左右の手の動きに複数のパラメーターを割り当てることで、鍵盤に触れずに音色やエフェクトを操作できる。音楽制作を行うクリエイターやキーボーディスト、ライブパフォーマーに加え、身体動作を使った表現に興味を持つ幅広い層へ訴求する。

                                         Airwave

49鍵のSeaboard 2と24鍵のSeaboard Mは、独自の「Keywave」構造により、音の高さや強弱だけでなく、上下左右への指の動きまで音色の変化へ反映できるMPE対応キーボード。滑らかなグリッサンドやビブラート、鍵盤間の連続的な音程変化など、一般的な鍵盤では難しい表現を直感的に行えるようにした。
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Seaboard 2
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Seaboard M

ROLI Pianoシリーズは、鍵盤自体が発光することで次に弾く位置を視覚的に示し、演奏と学習の両方を支援するモデル。49鍵のROLI Pianoと24鍵のROLI Piano Mを用意する。発光ガイドに加え、ポリフォニック・アフタータッチ(押し込み圧力を検知し、音色やエフェクトを変化させる機能)や各鍵ごとのピッチベンド(なめらかな音階の変化)にも対応する。

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ROLI Piano
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ROLI Piano M

また、Seaboard M、ROLI Piano Mはマグネットによる連結機構を備えており、最大4台をつなげて96鍵まで拡張できる点も特徴としている。

これらの製品は、ROLIの学習アプリ「ROLI Learn」と組み合わせることで、演奏練習まで一貫してサポートする。AIがユーザーとの対話を通じて弾きたい曲や練習スタイルを聞き取り、楽曲提案や運指指導、練習メニューの提示まで行う。

ROLI Piano Mを用いたROLI Learn使用例

Yamaha Sound Crossing Shibuyaで記者発表会を実施

4月21日(火)にYamaha Sound Crossing Shibuyaで行われた記者発表会では、ヤマハミュージックジャパン代表取締役社長の松岡祐治氏が登壇し、ROLI製品の国内取り扱い開始を正式に表明した。松岡氏は、ヤマハが掲げる「音・音楽の力で人々の個性が輝く未来をつくる」という考え方と、ROLIの「Free the Music(音楽を開放する)」というミッションに強く共感したことが、今回の提携の背景だと説明した。

左から、みの氏、ローランド・ラム氏、松岡祐治氏、Shin Sakiura氏

初年度は、直営店とシンセサイザーに知見のある特約店を中心に展開し、2年目以降の販売網拡充を目指すと述べた。また、ロンドンのヤマハ拠点で先行して行ってきたMONTAGE MとAirwaveの協業展示にも触れ、日本でもアーティストネットワークを生かして、新たなライブ表現や楽曲制作の機会を広げていきたいと力を込めた。

松岡祐治氏

発表会には、ROLI創業者兼CEOのローランド・ラム氏も登壇。スピーチでは、ヤマハとの関係を「極めて個人的な物語から始まった」と表現し、Seaboard誕生の背景にもヤマハのデザインチームの支援があったことを明かした。

会場では製品デモも行われ、ラム氏自らSeaboardを使った演奏を披露。キーボード自体での演奏に加え、空中で手を広げると伸びやかな音が鳴り、手のひらを握ると音が止まるなど、Airwaveがジェスチャーを認識して音を奏でるパフォーマンスを披露した。

デモを披露するラム氏

音楽プロデューサーのShin Sakiura氏は、ROLI Piano M、Seaboard M、Airwaveを組み合わせて、Seaboard上でのグリッサンドやビブラート、Airwaveによる空中操作を交えながら、その場で音を重ねて楽曲を構築していくライブ演奏を披露した。

「従来であれば打ち込みで細かくオートメーションを書き込まなければ出せないニュアンスを、演奏の中で直感的に表現できることは大きい」と語るSakiura氏。司会を務めたミュージシャン・音楽評論家のみの氏は、鍵盤と鍵盤の間の音まで扱える点やギター的なニュアンスを鍵盤演奏に取り込める点に驚きを示した。

ミュージシャンとしてROLI製品の拡張性を語り合うみの氏とSakiura氏

同発表会では、ROLI Learnのデモも行われた。「簡単な曲を落ちてくるノートで練習したい」という要望を受けて楽曲を提案し、演奏後にはテンポや指使いの改善点を含めたフィードバックを返すなど、AIを活用した学習支援の具体像も披露された。

ヤマハミュージックジャパンでは、こうしたAI活用型の学習支援について、自社の音楽教室やオンライン学習との補完関係も含めて今後検討していく考えそ示した。

さらに、ROLI製品に関してはメーカー側が使い方を固定的に定義するのではなく、アーティストやクリエイターが自由に活用方法を発展させていくこと自体に価値があるという姿勢も強調した。

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