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公開買付を拒否するよう株主に推奨

ワーナー、パラマウントによる買収提案を拒否する姿勢を表明。Netflixとの合併を支持

公開日 2025/12/18 12:06 編集部:原田郁未
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ワーナー・ブラザース・ディスカバリーは、パラマウント・スカイダンスが12月8日に開始したワーナー株の公開買付提案について、これを拒否するよう各株主に推奨する決議を取締役会の全会一致で決議した。

同取締役会は、パラマウントによる買収提案はワーナーおよび株主にとって最善の利益にかなうものではなく、また、ワーナーとNetflixとの間で交わされた合併契約にある「より優れた提案」の条件も満たさないと判断したとのこと。

ワーナーはあらためてNetflixとの合併を支持する姿勢を示し、株主に対してパラマウントの公開買付に応募しないよう勧告。取締役会によれば、パラマウントの提案は評価額が不十分であるうえ、多くの重大なリスクやコストを株主に負わせる内容だとしている。

また、同社はNetflixとの合併条件について、株主に対し1株当たり23.25ドルの現金に加え、Netflix普通株4.50ドル相当を付与し、さらにケーブルテレビ事業の「ディスカバリー・グローバル」分離後の株式価値や、将来的な成長も期待できる点を強調。取締役会は、この条件が価値と確実性の両面でパラマウントの提案を大きく上回るとしている。

一方、パラマウントの提案については、撤回や条件変更が可能な非拘束的オファーであり、取引完了の確実性が低い点を問題視。加えて、ワーナーが同案を受け入れた場合、Netflixとの契約解除に伴う約28億ドルの違約金や、追加の資金調達コストが発生し、株主価値を毀損するおそれがあると指摘した。

規制リスクについても、取締役会はNetflixとの合併とパラマウントの提案との間に実質的な差はないと判断している。Netflix側は、規制上の問題で取引が成立しなかった場合に備え、58億ドルという高額な解約金を設定しており、取引実行に対する強いコミットメントを示している点も評価材料とされた。

同社は、これまで複数の提案を含む戦略的選択肢の検討を行い、透明性と公平性を重視した競争的プロセスを経たと説明。その結果としてNetflixとの合併が最も株主価値を最大化する選択であると結論付けている。同取締役会は、米国証券取引委員会に提出した勧告書類を確認するよう株主に呼びかけるとともに、Netflixとの統合を通じて、より確実で持続的な価値創出を目指す方針をあらためて示した。

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