iBasso、窒化ガリウムトランジスタを採用したデスクトップヘッドホンアンプ「Kunlun」
MUSINは、同社が取り扱うiBasso(アイバッソ)ブランドより、窒化ガリウムトランジスタを採用したデスクトップヘッドホンアンプ「Kunlun(クンルン)」を12月19日に発売する。価格は103,950円(税込)。本日12月12日より予約受付を開始する。
Kunlunは、iBassoとして初のデスクトップオーディオ製品となるヘッドホンアンプ。窒化ガリウムトランジスタ(GaN FET)やディスクリートアンプ回路を採用し、Hi-Fiサウンドの追求を掲げる。製品名は中国の名峰に由来し、その名に相応しい高品位なサウンドチューニングを目指したとしている。
出力段にGaN FETを採用。従来のMOS-FET等に比べて、高い電子移動度と低い導通損失を実現したという。ゲート・ドレイン間電荷(QGD)が小さい特性を増幅回路に応用することで、過渡応答やダイナミクス、制御性の向上を図った。出力インピーダンスは6.35mmシングルエンド0.12Ω/バランス0.35Ωと低く、低インピーダンスのイヤホンでも精密に駆動させるとする。
回路はディスクリート構成で、出力段に8個、駆動段に合計32個(16×2構成)のトランジスタを搭載。計40個の高性能トランジスタで電流出力容量を確保した。従来のオペアンプ方式と比較して駆動力を大幅に高め、余裕のあるダイナミクスと細部まで明瞭な解像度を両立したという。
高出力設計で高い駆動性能を要求するヘッドホンにも対応。バランス出力モード時は最大7,400mW+7,400mW@32Ωを実現する。シングルエンド出力は1,900mW+1,900mW@32Ωで、出力レベルはバランス16Vrms、シングルエンド8Vrms。周波数特性はバランス10Hz - 40kHz(±0.2dB)、シングルエンド10Hz - 40kHz(±0.1dB)。
ボリューム部にはTexas Instruments製の4チャンネルオーディオボリュームコントローラーを採用。内部のオペアンプ段はバッファリング無しで600Ω負荷の駆動に対応。ゲインは3段階のポテンショメータでI(Low)/II(Med)/III(High)を切替でき、感度の異なるヘッドホンそれぞれに最適化できるとしている。
電源とレギュレーターを組み合わせたリニア電源アーキテクチャを採用。主要パーツにはGaN FET×8に加え、オーディオグレードの電解コンデンサーやフィルムコンデンサーを採用。直流保護回路を内蔵し、異常な直流成分を検知すると電源出力を遮断して接続機器を保護する。
筐体はアルミニウム合金の精密CNC加工で成形し、アルマイト処理を施す。天板の放熱構造と最適化した内部設計により、長時間の高負荷動作でも音質に影響する温度ドリフトの影響を抑えるとしている。フロントには6.35mmシングルエンド、4ピンXLRバランス、4.4mmバランスの各ヘッドホン出力を装備する。
入力はXLR、RCA、4.4mmバランスに対応し、据え置きからポータブル機まで幅広い機器と接続可能。純粋なアナログオーディオ設計のため、ドライバーのインストールや複雑な設定は不要としている。
S/N比はバランス122dB、シングルエンド118dB、ダイナミックレンジはバランス123dB、シングルエンド119dB。THD+Nはバランス-117dB(無負荷時)/-111dB(600Ω負荷時)、シングルエンド-107dB(無負荷時/600Ω負荷時)。クロストークはバランス-109dB、シングルエンド-111dBとしている。
外形寸法は222×245×65mm、質量は約2.4kg。電源はAC(100 - 240V、50/60Hz、400mA)、消費電力は8W。付属品はRCA to 3.5mmケーブル、電源ケーブル、6.35mm端子変換プラグ。



