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独自ドライバー「M10」「M8」を搭載

米VOLK AUDIOよりブランド第1弾 IEM。350台限定生産 Founder 's Edition「ETOILE」

公開日 2025/10/06 11:00 編集部:太田良司
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アユートは、同社取り扱いブランドVOLK AUDIO(ヴォルク・オーディオ)より、同ブランド創設を記念して350台限定で生産されるユニバーサルIEM 第1弾、Founder's Edition「ETOILE(エトワール)」を10月11日(土)に発売する。価格は660,000円(税込)。

ETOILE(Founders Reserve Edition)

VOLK AUDIOは、今年4月に創設された、アメリカ・ジョージア州アトランタに拠点を置くブランド。今年の7月4日にアユートと国内輸入代理店契約を締結。ブランド第1弾製品として宣言していたETOILEを発売する。

ETOILEは、創業者である Jack Vang氏による設計/デザインと、5度のグラミー賞受賞エンジニアであるMichael Graves氏のマスタリング精度により、10年以上の構想期間を経て誕生した。分析的な明瞭さと音楽的な魂をシームレスに橋渡しするIEM にするため、特注の10ドライバーによる6wayクロスオーバーのクアッドブリッド構成を採用する。

エンジニアMichael Graves氏

低域と超低域にダイナミックドライバー「M10」を1基、中域と中高域にSonion製BAドライバーを4基、高域にSonion製ESTドライバーを4基、さらに高域と超高域の精度を高めるためのMSTドライバー「M8」を1基搭載する。

ドライバー構成イメージ

低音域を担当する10mmのダイナミックドライバー「M10」は、20Hz - 350Hzの周波数帯域を再現するよう特別にチューニングされている。N52グレードのネオジム磁石と高純度日本製OFCボイスコイルを採用し、ドライバーの応答スピード、厳密な制御、明瞭な低音構造を実現する。

シェルに統合されたデュアルトライポートベントが内部気圧を調整し、不要な共鳴や歪みを効果的に低減する。さらに、音響室内に意図的に配置されたサフィアーノレザー層が自然に余韻を抑制して減衰を制御。インパクトがあり、制御された明瞭な低音再生を実現するという。

ダイナミックドライバー「M10」

中音域は4基のSonion製BAドライバーを、2つの専用デュアルドライバーモジュールに配置し、350Hz - 8KHzまでの周波数帯域をカバーする。1つ目のモジュールは、豊かな音色、明瞭さ、制御された解像度を実現するため、中音域の核となる周波数帯域に特化して最適化されたデュアルダイアフラム構造を採用する。

2つ目のモジュールは、発音の明瞭さ、存在感を高め、倍音の整合性や一貫性を損なわないように、中高音域に特化したシングルダイアフラム構造を採用する。デュアルドライバーモジュールが連携することで、制御された詳細な中音域再生を実現するとのこと。

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デュアルダイアフラム構造
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シングルダイアフラム構造

高音域は8KHz - 45KHzまでをカバーする4基のSonion製の静電型ドライバーを配置。2つの導電性電極の間に均一に懸架された超薄型帯電ダイアフラムを採用する。専用変圧器で駆動することで、オーディオ信号に均一かつ瞬時に応答し、従来のダイナミック型やBA設計と比較して、より鋭い過渡応答、拡張された帯域幅、優れた微細ディテールの再現性を実現するとアピールしている。

静電型ドライバー

高音域の精度を上げるため、Sonion製の静電型ドライバーとは別に、8KHz - 50KHzをカバーする独自の8mm静電磁気トゥイーター「M8」を搭載。2つの対称的な永久磁石アレイの間に均等に懸架された超薄型ダイアフラムがあり、平面ダイアフラムの運動を利用することで、均一な振動、瞬時の応答、最小限の歪みを実現するとのこと。

外部トランスやバイアス電圧を必要とせず、簡素で信頼性の高い動作と忠実で自然な音の再現を保証するとアピールしている。8KHzから12KHzの帯域でクロスオーバーされ、静電型ドライバーとシームレスに統合することで周波数特性は50KHzまで滑らかに延び、空間のリアリティ、倍音の豊かさ、開放感に寄与するという。

8mm静電磁気トゥイーター「M8」

クロスオーバーは、カスタム設計のプリント基板上に実装され、抵抗とコンデンサーネットワークを用いて精密な6way周波数分割とドライバーのシームレスな統合を実現。信号は5つの専用サウンドボアに直接ルーティングされ、特定の周波数帯域は音響フィルターによりさらに精緻化される。

6wayクロスオーバー

フェイスプレートは3重構造。密閉された制御空間を作り出すドイツ製樹脂パネルの上に、牛革の細かい網目のような型押し加工がされたレザーを重ねて微小共振を抑制する。ひとつの剛性構造として固定させる6061-T6アルミニウムを、CNC加工して24K金メッキを施したフレームで覆っている。フレームは3箇所の段差付きサスペンションポイントで固定して共振を分散して各層を確実に支えながら、組み立てた全体を剛性構造として一体化させるという。

フェイスプレート

全ドライバーを共有音響空間内に配置し、シェルに搭載したデュアルトライポートベントシステムにより気流を制御。ドライバー全体の内部圧力を均一化するという。これにより振動板の動きが安定し、不要な共鳴が排除され、明瞭さと音調バランスが維持されるとのこと。

ケーブルは約120cmの4.4mmバランスケーブル「ARC」が付属。コネクタは0.78mm 2pin。単芯5NOCC 銀、単芯4N銀、銀メッキ6NOCC銅、金メッキ4N銀、パラジウムメッキ 4N銀を使用。内部構造は精密に整合され、各結束部、切断面、⾧さは対称性や位相整合性、電気的均一性を追求し調整されている。

コネクタは6061-T6アルミニウムをCNC加工して使用。精密なブラッシュ仕上げと黒色アルマイト処理を施し、Y 字分岐部と4.4mmバランスプラグ部には 24K 金リングを刻印する。ケーブルは医療用グレード PVCで被覆されており、手に馴染むしなやかさとアピールする。

バランスケーブル「ARC」の内部

再生周波数は10Hz - 50kHz、インピーダンス8.8Ω(1 kHz)、感度110.6dB(1 kHz)。イヤーピースはシリコンとフォームイヤーがそれぞれ3サイズ。レザーキャリングケースやレザーケーブルタイも付属する。

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