Skullcandy、Boseチューニングの完全ワイヤレス「Method 360 ANC」8/29発売。開発に至った背景とは?
Skullcandy Japanは、Boseブランドとのパートナーシップにより開発したアクティブノイズキャンセリング(ANC)搭載の完全ワイヤレスイヤホン「Method 360 ANC(メソッド360 ANC)」を、8月29日(金)より一般発売する。価格は19,900円(税込)。本稿では本日開催されたメディア向け製品発表会の模様を中心にレポートする。
Boseサウンドを継承した新完全ワイヤレス「Method 360 ANC」。その開発背景とは?
「Method 360 ANC」は、Boseのサウンド技術を搭載し、徹底的に追求した極上のクリアサウンド、先進のANC、スタイリッシュで遊び心のあるデザインを兼ね備えたとする完全ワイヤレスイヤホン。8月初旬に製品発表&先行予約が開始され、一般発売日が8月29日(金)とあと数日に迫っている。
担当者は本製品について「Skullcandy Japan社の2025年モデルラインナップにおいて、最も重要なプロダクト」と強調。すでに本製品はSkullcandy史上トップクラスの予約受付数を達成していることを明かした。
製品コンセプトに「PREMIUM SOUND FOR THE PEOPLE!-すべての人に極上サウンド-」を掲げ、高音質サウンドをもっと身近に、もっと楽しめるイヤホンとして、若々しい楽しさやかっこいいスタイルを届けるSkullcandyと、確かな技術を誇るBoseの融合を実現したモデルだとアピールする。
今回のBoseブランドとのパートナシップに至った背景について、アメリカで実施されたBoseとSkullcandyの年代別ブランド認知などについて調査した消費者データによると、Boseは優れた音質の製品を提供するブランドで知られているが、アクティブユース、いわゆる若い消費者層においては高価格帯ゆえに購入対象の製品としてあまり考えられていないことが判明したとする。
一方のSkullcandyは、エントリー価格帯のイヤホンのリーダー的立ち位置として認知があるとしながら、この中にある未充足のニーズ関しては、アクティブユース層は機能や音質を妥協せずに手頃な価格で提供するブランドを明確に求めているということが分かったという。
また、世代別の各ブランドに対しての認知度や製品所有率も調査した結果、同社は「機能も音質も妥協せずに手軽に手に入れたい、これがアクティブユースの世代の本音」であると捉え、Skullcandy製品の価格帯でBose製品の音質を実現するべく、手頃さと本物のサウンドを両立したプロダクト、Method 360 ANCが開発されるに至ったと説明した。
主な製品の特徴として、音質面ではドライバーユニットに12mmダイナミック型ドライバーを搭載。加えてBoseの技術に基づいたチューニングを採用しており、これにより “クラス最高レベル” を謳うクリアな音質と豊かなダイナミックレンジが体感できると謳う。
具体的には、ダイナミックレンジの最適化を施したことで低音は力強く、中高域をクリアに、そしてボーカルや楽器のニュアンスを忠実に再現することが可能になったとのこと。担当者は「この価格帯からは想像ができないレベルの音質を実現した」とアピールする。
ANC機能は、イヤホンの内外/左右合わせて4基のマイクを使用することで、屋内/屋外問わず広範囲のノイズを打ち消すことが可能。。専用アプリ「Skull-iQ」からANCの効果量を調整することもでき、周囲の騒音環境に合わせて最適に設定できるとしている。
また、Boseチューニングのドライバー搭載にあわせて、ANCアルゴリズムも最適化。電車や飛行機の低周波から街中の雑踏まで、同価格帯の他製品と比較しても「頭1つ以上抜け出したキャンセリング性能を備える」と謳う。

さらに、内属マイクを通して周囲の音を取り込む外音取り込み(ステイアウェア)機能を搭載しており、周囲の音を必要なときだけ自然に取り入れることが可能。AI技術を用いたクリアボイススマートマイクも利用できる。
Bluetoothはバージョン5.3に準拠し、映像と音声のズレを低減する低遅延モードを搭載。さらに、Bluetooth LE Audioもサポートしており、省電力や高音質、安定した接続性を実現するしている。
LE Audioでは、従来のコーデックSBCに比べて半分のビットレートで同等以上の音声を再現できるため、小さな音のニュアンスまで失わずにより自然でクリアなサウンドを実現するとのこと。加えて、データ量が少なくなることでバッテリー性能の向上も促すという。

そのほかにも、左右のイヤホンに同時に音声が遅れるマルチストリーム転送により高い接続安定性を実現し、映像とのズレも大きく改善。1つのデバイスから複数のイヤホンに音を届けられる「オーディオシェアリング」もサポートすることで、空港や映画館などの公共空間での活用も期待できると訴えた。
充電ケースは、カラビナ付きのスライダー式ケースとなっており、ケースをスライドすることでイヤホンの収納が可能。カラビナ付きによりかばんやのベルトループにも簡単に装着でき、持ち運びにも優れているとした。
イヤホン本体は、Skullcandyらしいクールでスタイリッシュなデザイン性により、ファッションアイテムとしての使用にも最適とする。カラーバリエーションはTRUE BLACK/BONE WHITE/PLASMA RED/PRIMER BROWN/LEOPARDの全5色と豊富に用意する。
機能面では、通話中に自分自身の声がこもる感覚を和らげる「サイドトーン」、2台のデバイスと同時ペアリングできるマルチポイント、イヤホンを耳から外すと自動的に音楽再生を停止する装着検出、Android端末と簡単にペアリングできるFast Pair、片耳使用などの機能に対応する。
上述のSkull-iQアプリでは、ボタン操作のカスタマイズ、イコライザー設定、ANC/外音取り込みの効果の調整、ファームウェア・アップデートなどが行える。
イヤホン本体はIPX4等級の防水に対応し、ワークアウト時の汗や急な雨の時などにも安心して使用できる。イヤーピースと装着を安定させるフィットフィンを各3サイズ(S/M/L)ずつ付属する。
ライフスタイルとオーディオの融合を果たしたSkullcandyブランド。2025年よりファッションやストリート、ゲームなど幅広いシーンへ展開
本日開催されたメディア向け体験会では、Skullcandyブランドの始まりやコンセプト、そして現在の製品展開について解説するプレゼンテーションが実施された。
ブランドの始まりは、アメリカのユタ州パークシティのスキーリフトの上に遡る。創業者が音楽を聴いている際に電話をとる必要があった際、当時音楽プレーヤーから電話に切り替えができなかったため、創業者はボードスポーツのライフスタイルに合うものを作る会社を立ち上げようと決意し、Skullcandyオリジナルのライフスタイルオーディオブランドが誕生したと説明する。
同ブランドは創立後、世界で初めてライフスタイルをオーディオに融合させたブランドとして、単なる音楽機器にとどまらず、カルチャーやファッションとともにシンプルな音を通じて人々の楽しさを増幅させる存在として展開してきたとする。
主な製品ラインナップとして、ヘッドホンやイヤホン、ゲーミングスピーカーといった幅広い製品カテゴリーを展開。各カテゴリーで日常のあらゆるシーンやニーズに対応できるよう設計を施しているとのこと。また、カルチャーの象徴的なブランドやNBA、アーティストなどとコラボレーションも積極的に行っている。
さらに、限定カラーや特別なコレクションもSkullcandyらしさの1つ。ファッションと同じよう感覚で自分自身を表現できる点を訴えた。そのほか、通常色も多彩なカラーバリエーションを展開しており、トレンドを常にリードしてきたと強調した。
そしてSkullcandy製品の象徴ともいえる体験として、低音に連動して振動する特許取得済の技術「クラッシャーベース機能」をアピール。低音を聞くだけでなく「感じる体験」を提供するとして、初めてクラッシャー機能を体験したときに思わず出る表情をクラッシュフェイス」と呼んでいると明かした。
製品のみならずコミュニティ面も重視しているとして、2023年からあえてコアであるスノー/サーフ/スケートに特化したマーティングを行い、世界的に著名なアスリートとの契約を進めてきたとする。そして2025年からは、再び音楽やファッション、ストリートカルチャー、そしてゲームといった幅広いコミュニティへと展開を広げていくと力を込めた。
そのほか、Method 360 ANCに関連する施策として、今年4月にニューヨークで開催されたMethod 360 ANCのメディアイベントのようすも紹介した。本イベントは主に3つのゾーンで構成され、メインステージとなる「グラウンドフロア」では、SkullcandyのCEO・トニー・ホーク氏とBoseのCMOによるプレゼンテーションが実施された。
また、本イベントの司会を務めたビンマ・ウィリアムズ氏によるユニークなパネルディスカッションも行われ、Method 360 ANCが単なるライセンスの契約ではなく、Boseとの真のパートナーシップである点を訴えたという。
その後はメディア向けの特別セッションとして、記者が1対1で取材できる時間が設けられたほか、地下スペースに広がる金庫をテーマにした没入型のプロダクトプレイグラウンドでは、DJが音楽を流しながら、最新のテクノロジーを実際に体験できるデモンストレーションが実施されたと説明していた。



