フォステクス、ドライバーから構造まで全面刷新した新世代フラグシップヘッドホン「TH910」「TH919」
FOSTEX(フォステクス)は、独自の「バイオダイナドライバー」を搭載した新しいフラグシップヘッドホンとして、密閉型モデル「TH910」ならびに開放型モデル「TH919」の2モデルを9月上旬に発売する。価格はいずれもオープン、市場想定価格はそれぞれ下記のとおり。
・密閉型ヘッドホン「TH910」:税込352,000円前後
・開放型ヘッドホン「TH919」:税込418,000円前後
2012年から展開する同ブランドのフラグシップヘッドホン “TH900シリーズ” の新モデル。独自のバイオダイナドライバーによる高音質と、漆塗りハウジングの美しい質感という特長を引き継ぎながらも、ドライバーやハウジング、構造にいたるまで全面的に一新。“次世代へと進化した” とアピールする。
50mmバイオダイナドライバーは、新開発のエッジとボイスコイルを投入して大幅に進化。新開発エッジにより振幅の安定性が向上し、従来の高解像度かつ滑らかな音質を保持しつつ、低域を余分に膨らませることなくタイトで引き締まった表現を可能にしているという。
さらに不要共振を抑制することで余計な付帯音による濁りを解消し、自然で滑らかな中音域を実現。量感と深みを保ちながら、タイトな低域と透明度が高く見通しのよい中域から艶やかな高域まで、音楽の情報を高密度でクリアかつ滑らかな音質を実現するとしている。
ハウジングはハードメイプルの無垢材を採用。(株)坂本乙造商店が独自に開発した漆工芸を用いて、黒漆を基層とし硫黄でいぶした色銀箔をちぎり絵の様に貼りこんだ「箔地文様」に仕上げ、格調高い奥行き感を表現する。
硬質で比重が高いハードメイプルと漆仕上げの硬い塗膜が組み合わさることで、音に不要な色付けをせず、深みのある低音域からクリアで伸びやかな高音域の再生が可能だという。
開放型のTH919では、ハウジング開口部を覆うパーツとして、組子細工の幾何学模様をモチーフに艶消しアルマイトで仕上げたアルミ材を装着。レーザーカットによるメッシュ加工によって精密な2層構造に成型、開口率と各内部パーツを綿密に調整することで、開放型らしい解像度が高く聴き疲れしにくい自然な音場を再現するとしている。
ベースプレートやハンガーなどの機構部品には新たにマグネシウム合金を採用し、アルミ比で20%軽量化。加えて、回転機構部は余分な振動を抑制するため、ゴム製パッキンを用いた。各部品の細部まで設計の改善し、使用感の向上を図っている。
イヤーパッドは素材と形状を刷新。顔に当たる面を傾斜させて装着感を最適化している。また内部の低反発ウレタンは2層構造となっており、顔にフィットする柔らかいタイプを表側、高弾力タイプを内側に配置。加えて、従来比3倍に耐久性を高めたシルクプロテイン製合皮の採用により、長時間にわたるリスニングでも快適に使用できる。
付属のケーブルは、不純物を極力排除して伝送能力を高めた7Nグレードの高純度OFC(無酸素銅)導体を採用。この導体はヘッドホンの内部配線材にも用いられている。ヘッドホンとの接続端子は3.5mm 2極ミニプラグ×2、再生機器側には6.3mm標準プラグを装備。長さは2mとなる。なお今後、別売オプションとして4.4mmバランスケーブル「ET-TH4.4BL2Y」もラインナップ予定とのこと。
2モデルとも共通して、再生周波数帯域は12.5Hz - 45kHz、インピーダンスは25Ω、感度は100dB/mW。最大入力は1,800mW。質量は約385g。付属品として前述のケーブルのほか、レザー調ポーチが用意される。



