「ケーブルコンベンション2025」「ケーブル技術ショー2025」が7/24、25開催。ケーブルテレビ業界の持続的成長を目指す

テーマは「PASSION」と「POTENTIAL」

一般社団法人 日本ケーブルテレビ連盟、一般社団法人 日本CATV技術協会、一般社団法人衛星放送協会は、3団体共催で7月24日（木）・25日（金）に東京国際フォーラムで開催する「ケーブルコンベンション2025」「ケーブル技術ショー2025」について説明会を開催した。

「ケーブルコンベンション」は、全国各地から多くの業界関係者が集まるケーブルテレビ業界最大のイベントとなり、同業界の持続的な成長を目的に、優れた取り組みや功労者に対する表彰、各種講演／セミナー、情報交換会など様々なコンテンツが用意される。

日本ケーブルテレビ連盟 理事長の今林顯一氏は、「今年は『PASSION！〜ケーブルテレビがひらく、地域と暮らしの未来のカタチ〜』をコンセプトに掲げました。ケーブルテレビ事業者が持つ情熱＝パッションを原動力として、地域の課題を解決し、未来に貢献する取り組みを、今後は業界内外の皆様とコラボしながら加速、推進していきたいとの思いを込めました」と開催への意気込みを示した。

また、地域から発信される映像文化の発展とコンテンツ制作力の向上を目的に、昨年まで秋に開催されていた「日本ケーブル大賞 番組アワード」を今年は同時に開催。地域でのプロモーション活動を顕彰し、各地の優れた事例の数々を共有する「ベストプロモーション大賞」と合わせて、2大アワードが同日に連続して行われ、グランプリを頂点とする各賞が決定する。

今林理事長は「日本CATV技術協会さんの『ケーブル技術ショー』、衛星放送協会さんの『オリジナル番組アワード』との連携により、関係業界全体のプレゼンスを向上するだけでなく、これまであまりお付き合いがなかった方々への浸透を図っていきたい」と訴えた。

「ケーブル技術ショー」は、通信の高速化、5Gなど無線の導入、IP放送の開始、自治体と連携した地域DXへの取り組み、防災・災害情報の強化など、技術とサービスの両面から大きく進化を続けるケーブルテレビ業界において、技術革新とビジネス拡大に必須となる「モノからコト、そしてヒト」との出会いを提供する総合イベント。

日本CATV技術協会 理事長の中村俊一氏は「今年のコンセプト『POTENTIAL!〜ケーブルテレビがもたらす地域課題解決への力〜』には、地域DX、地域共創の推進へ向けた強い思いが込められています。ケーブルテレビの持つ力を皆に示していく、言い変えれば、いかにお役に立てるか、貢献できるかということに尽きます」と力を込めた。

97社・団体／88ブース／221小間は、昨年を上回る出展規模。今年もハイブリッド開催となり、「ケーブル技術ショー2025」公式ウェブページでは、先行して6月24日（火）よりオンライン展示会を開催している。期間は9月10日（水）まで。

会場は「トータルソリューションZONE」「テクノロジーZONE」「地域DX・地域共創ZONE」「トライアルZONE」「主催者テーマ展示コーナー」で構成。全国各地の自治体で進められているデジタルトランスフォーメーション（DX）による地域防災・地方創生活動の先進事例、それを支えるケーブルテレビサービスのバックボーンであるIoT技術を活用した各種防災センサー、LPWA（Low Power Wide Area-network）、ローカル5G、AI予測による防災・減災、危機管理対策（BCP）ソリューション、観光MaaSや地域交流MaaSによる地域の活性化ソリューションなど多岐に渡る取り組みを紹介する。

同時開催のオンライン展示会では、今年は生成AIが来場者とのAIチャットボットを介して会話し、来場者の持つ多様な課題を解決するソリューション、サービスを持つ出展社をレコメンドする取り組みを展開する。これまでのキーワード検索では話し得なかった高精度なビジネスマッチングを提供できるという。

3団体のもうひとつ、衛星放送協会の井川泉専務理事は、今年のケーブルコンベンションのテーマについて、「まさに私たちが目指すべき未来像を深く表明するもの。地域社会に寄り添い、多様なライフスタイルに対応した放送サービスの在り方が、今まさに問われています」と気を引き締めた。動画配信サービスが急速に浸透し、視聴スタイルが大きく変化する今、「私たち衛星放送もこれまで以上に鮮明に、その在り方を定義し直す必要に迫られています」と語る。

業界全体の発展を見据えた取り組みとして「ユニキャスト放送」を紹介。「見逃し視聴やタイムシフト視聴の需要が高まるなか、新たな視聴スタイルに対応するためには、従来の放送の枠組みを超えた挑戦が不可欠。ユニキャスト放送は衛星放送事業者だけでなく、ケーブルテレビ事業者にとってもサービスの拡充など多くの可能性を秘めています。より柔軟に視聴者の要望に応え、新たな放送の形が開けると確信しています」と説明した。

今回のケーブルコンベンションでは、同協会主催によるセッション「多チャンネル放送の活用と展望」を7月25日に開催。多チャンネル放送研究所が実施した2024年度の視聴者調査結果をもとに、多チャンネル視聴の現状と今後の方向性について発表する。「変化する視聴行動を正確に把握し、将来に向けた戦略を立てるための有益な機会となります。ぜひご参加いただきたい」とアピールした。

7月23日には、衛星放送ならではの番組制作を後押しする目的で創設された「第15回衛星放送協会オリジナル番組アワード」の授賞式を開催する。「多様なジャンルにわたる受賞作品は、いずれも衛星放送の魅力とポテンシャルを改めて感じさせるものばかり。こうしたオリジナルコンテンツこそが衛星放送の存在価値を高め、未来を切り開く力です」と説明。ケーブルテレビ業界関係者にもその魅力を知っていただく機会として、「ケーブルコンベンション」の前日に授賞式を設定した。

「放送業界を取り巻く環境が激変を続けるなか、今後の衛星放送協会はケーブルテレビ業界の皆様と共にパッションを持って連携を深め、ケーブルコンベンションが未来に向けた創造的な議論の場となるように微力を尽くしたい」とあいさつを締めくくった。